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これが未来の地方都市?どこか現実味のある空想世界、作者を直撃

“写真を合成する”ことへのこだわりと熱意

2077年 新宿妄想図

『2077年 新宿妄想図』(画像はYULILYさん提供)

 一枚ずつ写真を合成するというのはかなり手間のかかる細かい作業だと思われるが、そういった細部のこだわりにこそ楽しみがあるのだとYULILYさんは語る。 「素材を配置しているときが作品を制作していて最も楽しいと感じる瞬間です。どの作品にも細部にさまざまなネタやオマージュを詰め込み、見た人が気づいてくれるかどうか想像してワクワクしていますね。  逆に、素材を馴染ませるのには苦労しています。それぞれ異なる環境で撮影した写真なので、光の当たり方や色味が一枚ずつ異なります。全体が整っていくと楽しいのですが、違和感がないように一枚一枚明るさや彩度を調整して馴染ませる作業は、途方もなく感じますよ(笑)」
Neo Tokyo / 秋葉原

『Neo Tokyo / 秋葉原』(画像はYULILYさん提供)

 そんなYULILYさんが思う合成作品の魅力とはなんだろうか。 「空想の世界でありながら、どこか現実味が感じられるところが最大の魅力です。  合成作品は絵やCGと違って、もととなる建物などがこの世に存在していなければ作ることができません。その特徴を活かして、“ゲームやアニメに出てくるような空想の世界は、全くありえない世界でもないのかもしれない”と思わせるような表現をしていきたいです」

本業は写真とは関係のないサラリーマン

Neo Tokyo 2077 スカイツリー未来予想図

『Neo Tokyo 2077 スカイツリー未来予想図』(画像はYULILYさん提供)

 最後に、YULILYさんに今後の活動の展望を聞いてみた。 「自分が好きなものを詰め込んだ、趣味の塊のような作品が、こうしてたくさんの人に評価していただけているのはとても嬉しいです。本業は写真とは全く関係ないサラリーマンですので、空いている時間での制作にはなりますが、ネタは山のようにあるのでスローペースですが作っていくと思います」 ――廃墟と都会の世界を融合させた美しい世界を生み出してきたYULILYさん。これからどのような作品を生み出すのか目が離せない。<取材・文/海老エリカ(A4studio)>
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