電車、鳥、昆虫、回転ずし…動くものなら何でもインスタ映え確実!流し撮りの極意とは?
週刊SPA!本誌や日刊SPA!などで、スピード感満点、大迫力のクルマの写真を披露しているカメラマン・池之平昌信氏(通称:流し撮り職人)。
あのミハエル・シューマッハにカート対決で勝利したこともあるという氏は、かつてF1 GP全開催を転戦していたレースカメラマンで、『タモリ倶楽部』でタモさんに流し撮りを指南したこともある。
そんな池之平氏の得意技である流し撮りとは、簡単に言えば動いている被写体を撮影する際に、そのスピード感を効果的に表現する技術だ。
「動いている被写体をあまりブラさずに、背景など実際は動いていないものを激しくブラすことによってスピード感を表現するんです」(職人)
写真を見る限り、被写体であるクルマは、少なくとも時速100km以上でぶっ飛ばしているように見える。しかし実際は、時速40~60km程度。かなりノロノロ運転で走行しているところを撮影している場合もある。
実際に撮影現場を見るまでは、てっきり猛スピードで走るクルマを撮っているものとばかり思っていたが、実際は驚くぐらいゆっくり走っている(レースなどの写真は違うが)。どうしたら、こんな写真が撮れるのか?
「まずはファインダーの中のとめたい部分を、よ~く睨んで念写すること(笑)。シャッタースピードは1/30秒くらいから下げていく、少しずつ下げていくことが大事です(1/15秒など)。晴れた日は木陰などで撮るのがオススメ」
さらに流し撮り職人ともなれば、高性能一眼レフに限らず、コンデジ、スマホのカメラなどでも見事に流し撮りができる。
「スマホのカメラならサングラスをレンズの前にかぶせて撮る荒業もあり。クルマに限らず、電車、鳥、昆虫、回転ずしなど、動くものは何でも流し撮りできますね。流し撮りというと、モータースポーツというイメージがありますが、子どもの流し撮りなんかは親御さんにオススメです。公園で遊ぶ子どもや運動会で走るわが子を流し撮りするのは、楽しいと思いますよ」
ニコンやソニーのカメラ教室などの講師も務める氏が主宰する流し撮り研究所には、現在40名が在籍する。
「日本流し撮り研究所は、2010年にスタートしました。アマチュアカメラマンが中心ですが、セミプロ、プロカメラマンになった人もいます。なかには、カメラの設定はうまくできないけど、流し撮りはプロ並みという学生もいます。この研究所の有志20人が、モータースポーツ、飛行機、鉄道、回転すし……、流し撮りならばなんでもありの珍写真展を開催中。『こんなものまで流し撮りできるのか!』と驚いてもらえると思います」
写真はAUTOモードでしか撮らないという人も、マスターすればインスタ映え確実な1枚が撮れる流し撮り。ひとつ挑戦してみてはどうだろうか? <取材・文/日刊SPA!取材班 写真/池之平昌信>
※日本流し撮り研究所写真展は2/17まで毎日18時~、写真機居酒屋「tokinon 20/1,4」(http://tokinon5014.main.jp/)で開催中(入場無料、要飲食代)
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