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これが未来の地方都市?どこか現実味のある空想世界、作者を直撃

 先日、「未来都市の、地方都市。」という投稿文とともにTwitterに上げられたある写真が大きな反響を呼んだ。
YULILY

『未来都市の、地方都市。』と題された合成写真(画像はYULILYさん提供)

 4月中旬時点で1万件以上のリツイート、8万件以上のいいねを獲得するほど注目されたこの写真、実は細部まで手作業で作り上げた合成写真なのだ。  写真に目を凝らしてよく見てみると、ヨドバシカメラの看板や、タワーレコードの看板、ケンタッキーの看板など、さまざまな看板の写真が廃墟の写真をベースに組み合わせられており、古めかしい趣のなかで、どこか近未来を感じるカオスな感覚に襲われる。  今回はこの写真を生み出したYULILYさん(@Yulily_K)に取材し、合成写真にかける想いや魅力について伺った。

“空想の世界を表現する”というモチベーション

 TwitterやInstagram(@yulily_k508)で投稿されている幻想的な写真は、さまざまな素材を合成させて制作されているというのだが、素材となっている写真はYULILYさん自身が撮影して集めたものなのだという。 「『未来都市の、地方都市。』の素材は、ベースに栃木県にある廃旅館で撮った写真を使用し、そこに秋葉原や新宿、渋谷などの東京の街や、台湾や香港など海外で撮影した看板を重ねて合成しています。  写真の合成には『Adobe Photoshop』を使用し、『‎Adobe Photoshop Lightroom』でデジタル現像した写真をコラージュ合成して制作していますね。写真は3~5年ほど前は建物自体の暗いイメージと、動植物が満ち溢れている明るいイメージのコントラストに魅力を感じて廃墟によく撮影に行ったのですが、今は都市をベースに撮影しています」(YULILYさん、以下同)
新香港 Neo HongKong

『新香港 Neo HongKong』(画像はYULILYさん提供)

 そもそも、YULILYさんはなぜ合成写真を制作しようと考えたのだろうか。 「昔から写真を撮影していたのですが、それらを使って新しい作品を生み出したいと考えたのがきっかけですね。  そこから、大好きな“サイバーパンク”や“レトロフューチャー”といったジャンルのゲームやアニメに出てくるような世界を、自分の手で表現したらどんな作品になるだろうと思い、手探りで作品を制作してきました」
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