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貸会議室のTKPはコロナ危機をどう乗り越えたか。社長を直撃

TKP 河野貴輝 馬渕磨理子

TKPは、今こそ攻めの時期

馬渕:350億円の資金を確保しながら、今年1月14日に第三者割当の新株予約権を200億円発行する狙いは何でしょう。 河野:今回の新株予約権はレスキューファイナンスとは全く違う、攻めのファイナンスです。借入するだけじゃ駄目です。いずれ、返さないといけないのでキャッシュが会社に貯まりません。指をくわえて見ていてもしょうがないです。景気が悪いときこそ、自社のシェアを上げていく時期なんです。いわゆるナンピン買いをするべきタイミングですよ。 馬渕:ここから、攻めるわけですね。 河野:そうです。TKPやリージャスのブランドに出来るものを、ナンピン買いしていき、次の成長にベットします。僕はこの勝負をしたいのです。ここから先、必ずチャンスが出てきます。今回の新株予約権はTKPのチャレンジを応援してもらえる投資家の方にぜひ、応援して欲しいという思いです。 馬渕:TKPは、財務状況は問題ない状態です。河野社長の攻めの話を聞いてTKPを応援する投資家は多いでしょう。エクイティのところが分厚くなれば、自己資本比率がどんどん改善していきますからね。もともと金融出身ですから、金融的な発想ですね。

朝5時頃が最も冷える

河野:ここから先は、経営が立ち行かなくなったレンタルオフィスやホテルをリージャスやアパホテルにリブランドを進めていきたいと思います。 馬渕:業績のところは第3四半期で黒字浮上になっています。私は22年には通期黒字浮上するんじゃないかと思っています。 河野:そうなるように頑張っています。「日の出」に例えると、今は「2時か3時」。これから夜明けを迎えます。でも一番寒い時間っていうのは何時でしょうか? 馬渕:2時3時ではないのですか? 河野:朝5時頃が最も冷えます。ここから先が、凍えるのです。世の中が一斉に、将来が見えてくる時期なのに一段と冷え込む。そんな厳しい状況です。我々は逆に、そこをチャンスと捉えて、太陽が昇ってくるタイミングに合わせて、攻めていきたいと思います。 馬渕:貴重なお話を、ありがとうございました。 TKP 河野貴輝 馬渕磨理子 <取材・文/馬渕磨理子 撮影/山川修一>
経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi
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