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第2の三鷹駅問題はどこで起きる?東京全土に“禁酒法”発令

 3度目の緊急事態宣言により、東京都の飲食店では酒類の提供が禁じられた。100年前の米国で”伝説のギャング”アル・カポネの暗躍を招いた「禁酒法」の復活を飲み屋街はどう受け止めるのか?緊急リポートする!

都境エリアの飲み屋街に“飲酒難民”が殺到する!?

禁酒法「まん防(まん延防止等重点措置)」が東京23区と6市に適用中の4月23日、東京都はコロナの感染者増加を受けて、3度目となる緊急事態宣言の発出を政府に要請。25日から5月11日までの実施が決まった。  驚くべきは、その内容だ。これまでの行動自粛に加えて、宣言期間中、飲食店での酒類の提供が終日禁止される。1920年代の米国で施行された天下の悪法「禁酒法」が、現代の東京に蘇ったかのようだ。  飲酒を巡っては、まん防適用下の東京都でも「三鷹駅南北問題」がすでにクローズアップされていた。三鷹駅はまん防対象区域の武蔵野市と、対象外の三鷹市の境界線上に位置するため、北口(武蔵野市)の飲食店の営業時間は午後8時までとなっていた。  一方、線路一本挟んだ南口(三鷹市)では午後9時までと、規制の線引きにあからさまな不平等が生じていた。

明暗が分かれた居酒屋。「対策が的外れ」と指摘も

三鷹駅北口の居酒屋前の黒板には、「どの道、勝てぬのなら」と悲痛な叫びが……。

 4月14日、記者が三鷹駅北口に降り立つと人通りは少なく、飲み屋を何軒か覗くと午後7時にもかかわらず客は数組と閑古鳥状態……。居酒屋の男性店員(50代)はこう嘆いた。 「1時間の差とはいえ、書き入れ時の時間帯なので痛い。まん防をきっかけに、お客さんが“脱北”して南口に流れているのも腹立たしいが、日曜に緊急事態宣言が出たら酒も出せなくなる……。この先どうなるのか、不安しかない」  駅構内を通り抜け、南口の海鮮居酒屋の暖簾をくぐると、北口の閑散が嘘のような賑わいだ。男性店員(20代)が笑顔でこう話した。 「まん防が実施されてから、お客さんは3、4割増えています。今日は平日だし、寒いからダメかなと思ったら、7時すぎには満席で何組もお断りしたくらい。でも、この先、緊急事態宣言が出るし、この客入りも週末までですね……」
禁酒法

対照的に、南口の大衆居酒屋は満席の賑わいだった

 まさに線路一本挟んで明暗が分かれた格好だが、行政区分ごとの線引きに感染拡大防止の効果などあるのか。医療ガバナンス研究所の上昌広理事長はこう説明する。 「先行して適用された大阪市で感染が拡大しているように、飲食店の営業時間を1時間短くしたところで効果などない。そもそも、政府は飲食店を感染拡大の元凶としているが、クラスターがもっとも発生しているのは高齢者施設。ところが、3度目の緊急事態でも酒類販売を禁止するなど、的外れな対策を打とうとしている……」
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第2の「三鷹駅問題」が起きそうな気配
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