お金

JRA3兆4億円……。公営競技売り上げ爆増の理由はコロナ禍だけじゃなかった

平日だけではなく朝・夜も ソシャゲと変わらぬ手軽さに

 コロナ禍の影響は平日の巣篭もりだけではない。通勤がなくなった、外に出なくなったことで朝と夜に時間が生まれたという人の比率も上がっており、これに対しJRA以外の公営競技では早朝レースやナイター、深夜レースの開催がファンの心を満たしている。 ・早朝レース(モーニング) ボートレース/競輪/(一部地方競馬) ・ナイター 地方競馬/ボートレース/競輪/オート—ス ・深夜レース(ミッドナイト) 競輪/オートレース  夜中(深夜0-朝8時)以外は現在何かしらのレースが常に行われている。平日休日・朝夜問わずほぼ多くの人の生活サイクルのなかで、どれかのレースには参加できる状況となっており、それがスマホ1台で楽しむことができるのだ。JRAは有料だが、他の公営競技ではレース映像も無料でネット生放送されている。これは言うなればソシャゲを楽しむこととほとんど変わらない環境で、こういったサービスが近年整備されていることが現在の売り上げ上昇のメインの理由だ、ということだ。  さらに公営競技はレースの時間だけが楽しいワケではない。予想する時間もエンタメだ。前日に走るメンバーが決まり、そこから予想する時間として夜中もファンにとっては楽しい時間であり、前日投票、前売投票もできることを考えると、実質365日24時間、どこからでも参加できる。  そして、レースが行われる時間が仕事と重なりリアルタイムで見られないとして、必ずしもリアルタイムで見る必要はない。結果を通知で受けたり、あとでレースを見ることが可能だ。そう、これはソシャゲのジャンルでいえば「放置ゲー」と一緒。仕事が一段落してから、ゆっくりリプレイ・ダイジェスト映像を見ればよいのだ(JRAもリプレイは無料でネットで閲覧可能)。  リアルタイムプレイも、放置ゲーにもできるわけで、公営競技ネット投票はある意味で最強のソシャゲと化していたといっても過言ではないのである。

巣篭もり需要は加速装置でしかない

 結局、コロナ禍による巣篭もり需要は売り上げの後押し、加速装置でしかない。そもそもネットで楽しめる環境がそれまでに整っていなかったならば、ここまで加速できなかったはずなのである。昔は電話投票に加入するにも抽選で、保証金を用意する必要があった時代からは想像できない手軽さで、主要銀行口座さえあれば数分でネット投票を開始でき、レースも視聴でき、予想に必要な情報も揃う。  今、競馬ではウマ娘の効果で今年も売り上げは上昇の一途であるが、ファンが気になったらすぐに買えてレースを楽しめるという「環境を揃える努力」が土壌として存在していたからこそ、今の好調な売り上げと、いつでも楽しめる状況が生まれたのだということを忘れてはいけないのだ。 <取材・文/佐藤永記>
公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
Twitter:@signalright
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