酒がダメなら、クリームソーダを。コロナ苦況のバー、喫茶営業に活路
3回目の緊急事態宣言。東京都・小池知事は飲食店での酒類の提供を終日禁止に。「断腸の思いならぬ断酒の思いでお願い」と呼びかける中、期間限定で“断酒”を決めたバーがある。
「カクテルの代わりに、108種類のクリームソーダを期間限定で提供しています」
こう話すのは、東京・町田駅近くにある2011年創業のバー「ランバリオン」のオーナー・菅原翔さん(36)。同店には菅原さんをはじめ、カクテルコンペティション受賞歴のある本格派バーテンダーが在籍し、ラム酒とカクテル、こだわりのおつまみや肉料理を提供していた。
しかしコロナの影響で営業が出来ない日も多く、売り上げは前年比の10分の1程度になるなど、苦しい状況が続いていた。そこに3回目の“宣言”、そして“酒類提供禁止”。窮地に追い込まれたバーは……。
「バーではなく、『純情喫茶 スガハラ』として、5月11日までの期間限定で営業を始めることにしました」(菅原さん、以下同)
3回目の宣言前から、酒類を提供できない場合を想定して、“クリームソーダ構想”を練っていたと話す菅原さん。
クリームソーダはカクテル同様にソーダを使用しているため、「カクテルに近い感覚で作れるのではないか」と考えたという。
宣言を受けて、先月(4月)24日から本格的に準備に取りかかることに。そして27日、期間限定で『純情喫茶 スガハラ』をオープンした。
「おかげさまで、ゴールデンウィーク最初の土曜日(1日)は夕方に完売しました」
店にはクリームソーダが108種類もあり、全てレシピが異なるという。喫茶営業のため自家製シロップを考案し、バーテンダーの技術を駆使して作り上げた。
いわばカクテルのプロが作るクリームソーダ。こだわりはレシピだけにとどまらない。
「メニューは“108”種類ありますが、これは除夜の鐘を108回つくことに則っています。早くコロナが収束して、新しい時代へ行くという希望を込めました」
酒類提供禁止で窮地に「酒がダメなら、クリームソーダを」
カクテルに近い感覚で作れる
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5歳の頃からサスペンスドラマを嗜むフリーライター。餃子大好き27歳。 たまに写真も撮ります。
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