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「ユリコ恐るべし」を印象付けた選挙。惜敗だが、実質は大勝だ/倉山満

都民ファーストは僅差の第2党。惜敗だが、実質は大勝だ

 結果、都政127議席の過半数を制する会派は無く、膠着状態だ。  自民党は、前回の25から33に回復、なんとか第1党の地位を取り返したが、惨敗に等しい辛勝だ。小池旋風の前に2日で20議席を失った格好だ。  自民党は「公明党と合わせて過半数」を勝利条件としていたので、大敗だ。  公明党は、何とか23人の候補全員の当選。必死の防戦に成功した。最後の1週間の『公明新聞』など、鬼気迫っていた。  都民ファーストは、45議席から減らしたが31議席。僅差の第2党なので、惜敗だが、実質は大勝だ。誰にも小池都政に拒否権を行使させない勢力を確保した。  共産党は18から19に増やしたが、宿敵の公明党が誰も落選しなかったので、悔しくて仕方なかろう。

「勝利者無き選挙」? ユリコの勝負度胸と公明党の底力が見えないのか

 涙を禁じ得ないほど滑稽なのが、立憲民主党だ。国政では第2党だが、都政では共産党の後塵を拝する第5党。しかし8議席から15議席で「倍増」「勝利」とはしゃぎ回っている。「枝野信者」「立憲カルト」の連中は「これで枝野体制は3年安泰だ」と勝利の美酒に浸る。  立憲民主党には何かの間違いで所属している真人間が少なからずいるのだが、その人たちには心の底から同情せざるを得ない。  多くのマスコミは「勝利者無き選挙」などと寝言をまき散らしているが、節穴か。ユリコの勝負度胸と公明党の底力が見えないのか。  そして真の敗者は、菅義偉首相だ。
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真の敗者は、菅義偉首相だ。「政界の一寸先は闇」、真の味方は誰だ?
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1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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