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コロナ禍以前の生活を、どれほど覚えているか?/倉山満

我々日本人は、なぜマスク生活をしているのか?

言論ストロングスタイル

’20年4月15日、厚生労働省クラスター対策班で当時北海道大学所属の西浦博教授は記者会見にて「行動制限をまったくとらなければ、約42万人が死亡する」との見方を示した 写真/時事通信社

 いったい、いつまでマスク生活や経済自粛を続けねばならないのか。菅義偉首相の方針は明確だ。「ワクチンが普及して感染拡大が抑制されれば、コロナは終息するから、それまでだ」との方針だ。  では、聞く。ワクチンが普及して感染が抑制されている国もあれば、まったく変化がない国もある。日本でも、菅内閣は「1日100万本の接種を行っている!」と喧伝しているが、その間も人々は「東京はステージ4の状況だ!」と恐怖している。  そもそも論に立ち返るが、我々日本人は、なぜマスク生活をしているのか? 大前提は、新型コロナウイルスはペストやエボラ出血熱のように危険な伝染病だから、日本人全員がマスク生活を行い、常に手指を消毒しなければならない。さらに人の流れを抑えなければならないから経済そのものを止めねばならない、だった。  本当にペストやエボラのように危険な伝染病なら、その程度で何とかなるのか極めて疑問だが、「専門家がそう言うから」という理屈で押し切り、今に至る。

1回目の緊急事態宣言発令までの過程を、何人が覚えているだろうか

 今や、3度目の緊急事態宣言の最中だ(原稿執筆時)。言われてみないとわかりにくいが、沖縄は宣言継続中だ。もはや、1回目の緊急事態宣言が、どのような過程をたどってなされたか、何人が覚えているだろうか。  人は現在進行形で起きていることは覚えているが、時がたてば忘れる生き物だ。  たとえば、「尾身茂」である。現在、この人物の名前を知らない日本人はいないであろう。「総理大臣が緊急事態宣言をする時に、必ず隣にいる医者」と認識されている(正確には、すべての会見で隣にいる訳ではないのだが)。毀誉褒貶は激しいが、その正確な肩書は知らなくても「尾身先生」「分科会の会長」と言えば、日本人は誰もが知っている。では、その記憶がいつまで続くだろうか。
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コロナ禍以前の生活を、どれほど覚えているか。もはや、風化している
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