カーライフ

世界初の自動運転レベル3。その発動はパチンコの確変を引く感じ

世界初の自動運転レベル3

 そんな感じでユーザー側は冷めているのだが、メーカー側の意欲はアツい。電動化同様、「自動運転を制する者は自動車業界を制する」と信じられているからだ。そしてこのたびホンダは、世界初の自動運転レベル3を実現する「ホンダセンシングエリート」を搭載したレジェンドを、100台限定でリース販売するに至った。なんであれ、世界初なのだから快挙に違いない。これぞ大勝利!
オートクラブ

自動運転はレベル0~5まで6段階に分かれており、レベル2まではドライバーによる運転が主だが(安全運転に係る監視・対応主体が運転者)、レベル3以上は一部もしくはすべての運転をシステムが行うようになる

 使い方は非常にカンタンだ。自動車専用道路を走行中に、ハンドル右側のメインスイッチをONにし、セットボタンを押すだけ。こうしてACCをONの状態で走行中、一定の条件をクリアすると、ハンズオフ(手放し)運転機能が勝手にONになり、さらにその状態で時速30㎞以下の渋滞に遭遇すると、勝手に自動運転レベル3がONになる。そうすると、アクセルやブレーキ、ハンドルの操作をすべてクルマまかせにして、DVDやスマホを見たりすることができる(はず)。  というわけで、渋滞を求めてレッツゴー! カモン渋滞!

渋滞でワクワクしながらACCをON!

オートクラブ

実際に走らせてみると、レベル3の自動運転が発動するシーンにはなかなか遭遇せず。ボタンを押せば、すぐにレベル3の自動運転になるというわけではない。レベル3の発動は、パチンコで確変を引く感じでしょうか

 たまたまた近所の首都高4号線下りに渋滞をハッケンしたので、ワクワクしながらACCをONの状態で突入セリ! いつ入るんだ? 自動運転レベル3よ!  あれ? 前段階のハンズオフにもなかなか入らないな……。首都高の都心部(C1)はカーブが多すぎるので使えないらしいが、4号線はほぼ直線だ。何が足りないの? なぜなんだー!と叫んでも、レジェンドは原因を教えてはくれない。  そうこうするうちにクルマは首都高を出て、中央道に入ってしまった。まもなく渋滞も終わる。ああ、不発に終わるのかオレの自動運転体験よ。  と思ったとき、突如「ハンズオフ」運転が勝手にONになり、間もなく「渋滞運転(つまり自動運転)」も勝手にONになった! やった~~! しかし、「やった!やった!」とついコーフンし、ガッツポーズやピースをしていたら、「ポン」と音が鳴って自動運転は解除された。  その後何度か繰り返したが、どうやらはしゃぎすぎると解除されるらしい。ついでにマスクも苦手っぽい。 オートクラブ
次のページ
常にドライバーを監視
1
2
3
4
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

記事一覧へ
おすすめ記事