カーライフ

世界初の自動運転レベル3。その発動はパチンコの確変を引く感じ

世界初の自動運転「レベル3」は、どこか窮屈で不自由だった!

オートクラブ

HONDA LEGEND

 完全自動運転のクルマと言えば、中高年は「ナイト2000」を思い浮かべるかもしれません。若者のために解説すると’80年代にTV放送された『ナイトライダー』に登場するクルマで、最大の特徴は人工知能を搭載し、自分で考えて言葉を話し、自らの意思で走行できること。完全自動運転のクルマは、そんなドリームカーであってほしいのです! 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます 永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信(流し撮り職人)=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

完全自動運転への道は果てしなく遠い……

 大手メディアは、「自動車産業は100年に一度の大変革期」と囃し立てる。その主眼は電動化と自動運転だが、ユーザーは、どっちもあんまり望んでいない。不便で値段の高いEVに乗りたい人はまだごく一部だし、自動運転への渇望もほとんどない。ユーザーが望まない進歩が待望されているという、かなり不思議な状況だ。  自動運転への欲求の低さの第一因は「不安」にある。「本当にまかせて大丈夫なのか?」って。  いまや、前車追従機能付きクルーズコントロール(ACC)の付いていない新車のほうが少ないくらいだけど、これはすでに自動運転のレベル1に当たる。でも、それを使いこなすのは、フツーに自分で運転するよりも難しい。なぜならドライバーには、キカイの限界を見極めて、ダメだと思ったらすぐに運転を引き継ぐ能力が求められるから! 一部をキカイに任せるのはかえって疲れるしコワイ。なら全部自分で運転したほうがラク。そういうことになる。
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渋滞を求めてレッツゴー!
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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