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虫に刺されて死なないために。アウトドアで要注意の虫リスト

マダニーー西日本を中心にダニ媒介感染症が流行中⁉︎

 いま、大きな問題になっているのがマダニです。  とくに西日本エリアを中心に、ダニ媒介感染症――SFTS(重症熱性血小板減少症候群)の被害報告が続いています。熱が出て吐き気や腹痛、下痢に筋肉痛といった症状が出ます。
フタトゲチマダニ(画像:国立感染症研究所)

フタトゲチマダニ(画像:国立感染症研究所)

その致死率は10~30%程度で、2020年12月までに75人の死亡が報告されています。2021年6月22日には関東地方ではじめて千葉県の方が感染し、亡くなられています。関東でも十分気をつけていただきたい。  すべてのダニがSFTSのウイルスを持っているわけではありませんが、ウイルスの保有率はわかっていません。僕の研究センターでもPCR検査で調査を試みたことがあるのですが、小さすぎて検出限界以下になってしまい、正確なデータがとれないのです。  とにかく、咬まれないようにするしかありません。もし、深く咬まれたら絶対に自力で取ろうとしないでください。ウイルスはダニの体内に溜まっています。引き剥がそうとおなかをつまむと中身が逆流して、人間の体の中へ注入されてしまいます(もちろん、すべてのマダニにSFTSウイルスがいるわけではありません)。
村上貴弘

村上貴弘氏。アリの巣を食べているところ

 厄介なのは、マダニはどこにでもいるということ。ほ乳類にくっついて増えるので、野生動物がいる林や人里近くの裏山や畑、おそらく都内のちょっとした公園にも生息しているでしょう。  一度咬まれるとしつこく、3〜4日、ひどいときは1週間ぐらいくっついてることがあります。山に行った1週間後、足にグロテスクな赤黒い塊を見つけたら、血を吸って膨れたマダニだったなんてこともあります。

ツツガムシーー症状はコロナそっくり、ツツガムシ病

 マダニと並んで、要注意なのがツツガムシです。病原体をもつツツガムシに咬まれるとツツガムシ病を発症します。いまでも、日本全国で年間500人程度が発症し、死者も出ている病気です。  僕自身はツツガムシに咬まれたことはないのですが、ダニより一回り小さいので、おそらく咬まれても気づかないのではないかと思います。  その症状は高熱や悪寒、頭痛や筋肉痛、発疹というものです。登山にでかけて数日後、突然高熱がでたら、今だったら間違いなく新型コロナの感染だと思ってしまうでしょう。 抗生剤を飲めば大丈夫ですが、かなり重症化することもあります。僕の先輩がツツガムシ病で倒れたことがあり、1ヶ月ほど入院していました。
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ヒル、スズメバチに遭遇したら
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