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五輪に憤る湾岸タワマン住民。無観客なのに「厳戒態勢」でストレス爆発

無観客になったからといって急な人員削減はできない

五輪に憤る湾岸タワマン住民

晴海エリアにある選手村周辺の道路。一帯を封鎖し、厳重警戒する警察官たち 写真/時事通信社

 警備体制については数年前から練られており、無観客になったからといって急に人員削減をすることもできないと黒井氏は言う。 「これまでの各国の五輪を見れば、自動小銃を手にした武装警察や装甲車が競技会場周辺を固めているのが普通なので、国際的に見れば、物々しすぎるというほどではないでしょう」  自宅周辺に五輪会場がやって来ることは、おそらく天文学的な確率だ。それを幸運と思えていない住民がいるということ自体、この五輪の評価を決定づけているのではないだろうか。

公園で堂々とビールも!?外国人大会関係者にも不満

五輪に憤る湾岸タワマン住民

選手村の様子

 湾岸エリアの住民からは、会場に出入りする外国人の五輪関係者に対しても不満の声が上がっている。東雲在住の40代男性が話す。 「開幕直前から、大会関係者やメディアのクルーなど、外国人ドライバーが増えたのですが、交通マナーが悪い。片側一車線なのに、幅寄せしないまま乗降させていたり、強引に割り込んできたり。停車せず歩道を横切って会場に入る車に、自転車に乗った小学生がひかれそうになっていたこともあった。信号機のない横断歩道でも一旦停止しないのですが、そもそも路上の『止まれ』の意味がわからないんでしょうね」  有明在住の50代女性は一部の外国人に恐怖心を抱いている。 「五輪会場の設営スタッフだと思われる、イカついお兄さんたちが、タトゥーが入った両腕両脚を露出して家の周りを徘徊している。単なるファッションなのでしょうが、ちょっと前に五輪スタッフがコカイン所持で逮捕された一件もあったので、正直怖いですね」  さらに感染リスクへの不安も。お台場在住の40代男性の話。 「お台場にある小学校は、英国選手団のトレーニング拠点として“徴用”されちゃったんです。夕方になると選手団の一員が近隣の公園で、コンビニで買ったビールを飲んでいる。いったい、バブル方式はどうなっているの?」
五輪に憤る湾岸タワマン住民

学校ごと英国選手団の拠点になった区立学校では感染リスクも心配される

 これらは文化の違いや認識不足のレベルで、当の外国人には悪気はない。責められるべきは大会組織委員会の周知徹底不足だ。 取材・文・撮影/奥窪優木
1980年、愛媛県生まれ。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国に渡り、医療や知的財産権関連の社会問題を中心に現地取材を行う。2008年に帰国後は、週刊誌や月刊誌などに寄稿しながら、「国家の政策や国際的事象が末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに地道な取材活動を行っている。2016年に他に先駆けて『週刊SPA!』誌上で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論の対象となり、健康保険法等の改正につながった。著書に『中国「猛毒食品」に殺される』(扶桑社刊)など。最新刊『ルポ 新型コロナ詐欺 ~経済対策200兆円に巣食う正体~』(扶桑社刊)発売

ルポ 新型コロナ詐欺 ~経済対策200兆円に巣食う正体~

詐欺師や反社、悪事に手を染めた一般人まで群がっていた
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