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「夏に志望校を下げる受験生は、冬に必ず後悔する」と東大生が断言する理由

理由2「受験対策が大変になる」

参考書 2つ目の理由は「志望校の対策が大変になる」ということです。これは特に夏以降、秋、冬と受験本番が近づけば近づくほどに深刻な問題になります。  どんな学校でも、入試問題にはある程度のクセがあります。たとえば、東大の英語は試験開始45分経過時点で30分のリスニングテストが行われるなど、毎年必ずある程度決まった順番で、決まった形式の問題が出ます。  一見すると、嫌になりそうですが、このおかげで受験生は対策を立てることができるようになります。 「過去10年間、ずっと出題されている問題ジャンルだから、来年もきっと出題されるだろう」というように、過去問から来年のテストの内容を予測して練習します。  これが俗にいう「過去問演習」です。この過去問演習は受験勉強の中でも非常に重要で、どれだけ過去問を解いたかどうかが、そのまま合否に直結します。  しかし、志望校を一度変えると、それまでやってきた過去問演習がすべて無駄になってしまいます。新しく志望校にした学校の出題傾向を確認して、対策を練って……とするのは非常に時間がかかります。 「1つ下のレベルに下げれば余裕だろう」と思うかもしれませんが、実は志望校変更で大きくタイムロスをする分、まったく有利になっていないのです。

志望校を下げた受験生を待ち受ける現実

 さらに一度志望校を下げた人は、その後また志望校を下げやすくなります。「学力に自信がないから」という理由で志望校のレベルを下げると、同じ理由でどんどん志望校の偏差値レベルが下がる負のスパイラルに陥ってしまうのです。  志望校を下げると、その度に志望校の過去問対策をやり直すハメになります。結局、こうなってしまうと、過去問演習が間に合わなくて残念な結果に終わるか、過去問演習なんて必要ないほど簡単な大学に落ち着くかの二択となります。  どちらにせよ、受験が始まる前に本人が望んでいた結果ではないことだけは確かでしょう。
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親がやるべきことは?
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