1位「記念する」天皇陛下(開会式)22.5%
開会式<代表撮影:雑誌協会>
7月23日、新型コロナウイルス感染拡大が続くなかで迎えた開会式。天皇陛下は開会宣言で「私は、ここに、第32回近代オリンピアードを記念する、東京大会の開会を宣言します」と、従来であれば「祝い」の部分を「記念する」と変更して述べた。これを新聞各社が翌日の朝刊で大々的に報じた。
アンケートの結果、ベスト3のうち2つが「開会式」だった。新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、賛否両論あるなかで始まったことから、多くの人の印象に残っていたようだ。NHK総合で生中継された開会式の様子は、平均世帯視聴率56.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったという。また、地上波では珍しいスケートボードやBMXも視聴者には新鮮に映ったことだろう。以降は、20位まで一挙に紹介していこう。10位が同率2つで12位から。
12位「水谷選手とだから勝てた」伊藤美誠(卓球)8%
伊藤美誠(左)と水谷隼<代表撮影:雑誌協会>
卓球の混合ダブルス準々決勝、ドイツ戦にのぞんだ水谷隼と伊藤美誠のペア。しかし、大苦戦を強いられる。3-3で迎えた最終ゲーム、最大7点差まで離され、絶体絶命のピンチをむかえる。伊藤の表情が曇るなか、水谷が驚異の追い上げを見せ、大逆転勝利。
伊藤は試合後、「水谷選手とだから勝てたなとすごい感じる。諦めない気持ち、声も一本一本かけてくれたし、顔つきもそうです」と水谷への感謝を口にした。
12位「後藤が顔面蒼白で」上野由岐子(ソフトボール)8%
7月27日、アメリカとの決勝戦。エースの上野由岐子は最終回となる7回に、「リエントリー」(※先発の選手は1度だけ再出場できる)制度でリリーフの後藤希友からマウンドを託された。上野は優勝後のインタビューで、そのときの心境を次のように振り返った。
「リリーフで投げてくれた後藤が顔面蒼白で、いっぱいいっぱいで投げてくれたのを見て、逆に自分がやるんだと奮い立たせてもらった」
Twitterでは、これまで全くプレッシャーを感じていることを見せなかった若干20歳の後藤の奮闘ぶりを称えるとともに、最後まで頼もしかった上野に対して「さすが」という声が多く出ていた。
14位「2人で最高に輝けた1日だった」阿部一二三(柔道)7%
阿部一二三(左)と詩<代表撮影:雑誌協会>
7月25日、柔道の阿部一二三と詩の兄妹が同日金メダルを獲得するという快挙を成し遂げた。表彰式のあと、兄妹でインタビューを受けた際に、一二三は「2人で最高に輝けた1日だった」と話した。また、お互いにとってどのような存在か問われると、「本当に頼もしい妹だし、柔道家として尊敬する妹です」と一二三。一方で詩は「やっぱり最強の兄だなと思います」。
阿部一二三(右)<代表撮影:雑誌協会>
SNS上には「兄妹で金メダルすごすぎる」「世界一の兄妹」などと、2人の絆を称賛するコメントが多く見られた。
14位「鬼やばい」瀬尻稜(スケートボード解説)7%
堅めのスポーツ中継でお馴染みのNHKだが、今回から新種目として登録されたスケートボードの解説で「やっべ~」「ハンパない」「アツい」などのフランクな口調で注目を集めた瀬尻稜さん。なかでも「これは鬼やばいッス」との発言に、視聴者は面食らった様子。Twitterでは「クセになる」などの声が相次いだ。
16位「投げられなくなるまで絶対に投げてやる」上野由岐子(ソフトボール)6.5%
2008年の北京オリンピック以来、13年ぶりにオリンピック種目となったソフトボール。決勝戦でアメリカに2─0で勝利して金メダルを獲得した。
その重圧は計り知れないが、優勝決定後のインタビューでピッチャーの上野由岐子は「これが自分が背負っているものだと思っていた」としたうえで、「このマウンドに立つために13年間、いろんな思いをして、ここまで来た。投げられなくなるまで絶対に投げてやるという思いだった」と振り返った。
17位「本当に夢みたい」大橋悠依(水泳)5%
今回、競泳の女子400メートル個人メドレーに続き、200メートル個人メドレーでも金メダルを獲得するという快挙を成し遂げた大橋悠依。初のオリンピック出場で2冠を達成した大橋だが、レース後に「本当に夢みたい」と笑顔で語っていた。
18位「ゲシる」勅使河原大地(BMX解説)4.5%
18位「キャンキャン」勅使河原大地(BMX解説)4.5%
東京オリンピックからの新種目、自転車・BMXフリースタイルからもランクイン。男女ともに7月31日がシーディングラン、8月1日に決勝が行われた。スケートボードと同様に、BMXも解説の言葉からSNSに火がついた。
解説を務めたのはプロライダーの勅使河原大地さん。ジャンプして着地する際に後輪が台についてしまうミスの「ゲシる」や、それとは逆に上手く着地する「ビタ着(ちゃく)」などの専門用語が話題に。ほかにも片足をペダルから離して、逆側に足をまたいで伸ばす「キャンキャン」という技の名前も注目を集めた。
20位「彼、スケボー上手いっすね」瀬尻稜(スケートボード解説)4%
堀米雄斗<代表撮影:雑誌協会>
7月25日に開催されたスケートボードの男子ストリートで見事、金メダルに輝いた堀米雄斗。解説の瀬尻稜さんが堀米の技巧を評する際に、サラリと「彼、スケボー上手いっすね」と話した。その瞬間にTwitterでは「この解説好き」「面白い」「最高」などの声が続出した。
——東京オリンピックも残りわずかとなってきた。果たして、あとどれだけの名言が誕生するのか。期待して観戦したい。
【調査概要】
調査方法:アイブリッジ(株)提供の「リサーチプラス」モニター(30~49歳男性)に対してアンケートを行い(複数回答)、その結果を集計したものです。
調査期間:2021年8月2日(月)
有効回答者数:30~49歳男性200人
<文/藤井厚年>
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):
@FujiiAtsutoshi