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「この国をどうしたらいいか。30年間ずっと考えてきた」。『本当に君は総理大臣になれないのか』著者・小川淳也氏に聞く

「天意」を感じる瞬間

―― 小川さんはどうして、それほど世のため人のために一生懸命になれるのですか。 小川 私は30年近く「この国をどうしたらいいのか」と常に考え続けてきました。自分でもどうしてこんなに必死なのか分からなかったのですが、「大欲は無欲に似たり」という言葉に出会ったとき、何となく腑に落ちたんです。  私は一人でも多くの人が矛盾や葛藤を乗り越え、お互い一緒にいられることを喜び合えるような社会を見てみたい。政治家と国民が信頼し合いながら、力を合わせて力強く歩んでいく日本の国を見てみたい。それが私の「欲」なんでしょうね。もしかしたらそれは、私が誰よりも強欲な人間だということなのかもしれません。 ―― 小川さんは「天意」のようなものを感じることはありますか。 小川 私は毎朝、出勤前に目を閉じて「自分は何のために政治家になったのか」と初心を思い出すようにしていて、それは時に30分から1時間、2時間に及ぶこともあるのですが……そうして自己を空しくしていった末に、天意のようなものを感じることがあります。  「人は天にして天は人なり」というか、多くの人々の切実な願いや切なる思いが集積され集約されていった果てに、天意や天命が合成されるのではないかと感じています。  そういう人々の思い、天の意思に応えるために、この身を使い切ることさえできれば本望です。 (6月30日 聞き手・構成 杉原悠人) 小川淳也(おがわ・じゅんや) 1971年香川県生まれ。東京大学法学部卒。自治省に入省後、政治家を志す。2005年に初当選を果たし、総務大臣政務官などを務める。2020年には小川の半生を追ったドキュメンタリー映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』が話題に。著書に『日本改革原案 2050年 成熟国家への道』(光文社)。
げっかんにっぽん●Twitter ID=@GekkanNippon。「日本の自立と再生を目指す、闘う言論誌」を標榜する保守系オピニオン誌。「左右」という偏狭な枠組みに囚われない硬派な論調とスタンスで知られる。
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