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「あなたとはもう働けない」信頼した部下から送られてきた、4000文字の抗議文

家でのモラハラも、まったく同じ構造で行われる

 そんな人間と一緒に仕事をしたいと思う人なんていませんよね。そして、もしそんな人が家でも同じように振る舞っていたとしたら、一緒に生活したい人もいないはずです。  多くの加害者と同じように、僕は、職場での加害と同じような加害を家でもしていました。今回の例でいうなら「説明コストをかけないで依頼しておきながら、それを理解できないと愚かだだとジャッジする」ということです。  例えば妻に「料理作り始めちゃってからいくつか材料がないことに気づいたから買い物をしてきてほしい」と言われた時に、「口頭で言われると忘れちゃいそうだからメモが欲しい」と伝えたとします。  その時に、妻が「手書きのメモ」を渡してきたら嫌な顔をしてしまうのです。「手書きだと読み間違えるかもしれないからLineなどでテキストで共有して欲しかった。ブランドが間違ったりしても嫌だから今使っているものの写真とかを撮って添付したり、検索してURLをシェアして欲しい」といったように、自分の依頼の仕方を棚に上げて相手を責めるのです。 「違うもの買ってきて困らせるのも嫌だから、できればラベルの写真とか送ってくれると嬉しい」とか、「ブランドとかはそんなにこだわりないのかな? もしあるなら教えてもらった方が安心かも」とか、手書きのメモを音読して間違いがないか確認したりとか、自分にできることがたくさんあるにも関わらず、できませんでした。  人間として未熟で、加害的で、そんな人間と妻がいつまでも一緒にいてくれるとなぜ思えていたのか今ではわかりません。

妻や仕事仲間からは、徹底した反省と自己分析により許された

 その後、紆余曲折があって自分のモラハラを自覚し、DV加害者であることを自覚してから、少しずつでもこういった話し方、嫌な言い方というのは減ってきました。妻からは「別人のように話しやすくなった」と言ってもらえています。  ちなみに、チームメンバーの方々とはその後も関係を続けることができました。連絡をもらってすぐに2週間ほど時間をくださいと伝え、コミュニケーションやマネジメント、チーミングなどの本を読み、自分の誤りを認め、謝罪し、実際に行動を変えることができたからでした。  この記事を読んで、少しでも「どきっ」と思い当たるところがある人は、職場での加害をしているはずです。そして、職場で加害をしている人は必ず家でも加害をしています。パートナーから「あなたと一緒にいるのが辛い」「もう一緒にいたくない」と言われたことがありませんか?    加害者と言われて混乱したり腹が立ったりすることもあるかと思います。しかし、自分の加害性に目を向けて学ぶことで、変わることができます。変わることができれば、多くの人と良い関係を築くことができ、自分も傷つくことが減ります。  仕事で学ぶことができる人は、それと同じように、家庭での問題についても学ぶことができます。ぜひ共に学び変わっていきましょう。
DV・モラハラなど、人を傷つけておきながら自分は悪くないと考える「悪意のない加害者」の変容を目指すコミュニティ「GADHA」代表。自身もDV・モラハラ加害を行い、妻と離婚の危機を迎えた経験を持つ。加害者としての自覚を持ってカウンセリングを受け、自身もさまざまな関連知識を学習し、妻との気遣いあえる関係を再構築した。現在はそこで得られた知識を加害者変容理論としてまとめ、多くの加害者に届け、被害者が減ることを目指し活動中。大切な人を大切にする方法は学べる、人は変われると信じています。賛同下さる方は、ぜひGADHAの当事者会やプログラムにご参加ください。ツイッター:えいなか

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モラハラ、パワハラ、DV
人間関係は“ことば”で決まる

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