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千葉ロッテの「銀行」になった楽天と日ハム。その対戦成績をデータで紐解いてみた

最下位日本ハムを完璧に「脚」で叩いたロッテ

 もう一つ、カモメがカモにした球団が日本ハムだ。対戦成績は11勝3敗4分。3敗しかしていないのである。その3敗のうち2敗時に先発したのは岩下大輝だが、岩下の先発4試合で1勝1分もあり、また、9月18日に岩下が敗戦投手となった試合のスコアは1-0。単純にロッテ打線が日本ハム先発バーヘイゲンを打ち崩せず11奪三振を奪われ援護できなかっただけで、岩下を攻略したとはいえない状況だ。  ちなみにロッテの対日本ハム戦打率は.241。チーム打率が.245なので特に日本ハムに対して打ちまくっているわけではない。問題はもっと闇が深い。日本ハムとロッテの対戦成績を書き出すと ロッテ(対日本ハム) 打率.241 防御率2.85 日本ハム(対ロッテ) 打率.249 防御率3.92  打率はさして変わらぬどころか日本ハムのほうがわずかに上回っているのだが、防御率に1点以上の開きが生まれている。つまり、ロッテの得点効率が対日本ハムでは異常に良いのである。ロッテの得点数は81、対する日本ハムは53。どうしてこうも違うのだろうか。

チーム盗塁数の4分の1を日ハムで稼ぐ

 今年のロッテはチームで102盗塁と、阪神の106に次いで100盗塁を超える機動力を持っている。そして、日本ハムには27盗塁と、4分の1をココで稼いでしまっている。悲しいが、日本ハムの盗塁阻止率は厳しい。正捕手清水優心の盗塁阻止率は.181でパ・リーグ正捕手では最下位。そこを今年脚で攻めるロッテに突かれている格好だ。  一番直近の対戦であった9月20日の試合は1-0でロッテが勝利しているが、この1点は盗塁ではないものの、9番加藤匠馬が脚を活かしてツーベース。からの荻野貴司の送りバントから2番藤原恭大の犠牲フライと、流れるように脚で1点を失って決勝点となってしまっている。  盗塁阻止率については里崎智也氏曰く大半は投手のクイックなどの責任という話があるが、いずれにせよ日本ハムとしては、脚を絡められると走られ放題な状態を改善することが来年への優先課題の一つとなっているだろう。  次回はセ・リーグ編。極端だった対戦成績から課題のチームを洗い出す。 文/佐藤永記
公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
Twitter:@signalright
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