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<純烈物語>いい意味でわきまえる。ファンとの信頼関係を築いた大江戸温泉物語<第116回>

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<第116回>利用客の間を突っ切ってステージへ向かうメンバーとファンの信頼関係

 前方から座席順に呼ばれ、壁沿いに列を作って一人ずつステージに上がり待ち構えたメンバーと対面するまで、自分のところでちゃんと待つ。その間、喋りをしながら楽しんでいるわけだが、撮影を終えたファンも少し中村座に残り、純烈談義に花を咲かせる。  これがコンサート会場だとすみやかに退場するが、地べた座りの大広間ならばよほど長居しない限り余韻に浸れるとともに、親しい者同士のコミュニケーションの場となり得る。おそらく、全国のスーパー銭湯でも同じ光景が見られたのだろう。

メンバーに会えるのも楽しいけれど、みんなと会うのも大江戸温泉の楽しみ

「メンバーに会えるのも楽しいけれど、みんなと会うのも大江戸温泉の楽しみでした。年齢も純烈歴も関係なく、私は横須賀で(連れの)ゆりちゃんは栃木と、みんなバラバラのところからやってきてここに集結して、そしてここでさよならをする。厚木健康センターがあった頃もみんな車で来て、そこでお喋りをしてまた帰っていくというのをやっていました」 「あと、ここは足湯があるじゃないですか。ないところは裸になるしかないけど、普段はメイクが取れちゃうんでお風呂に入らなかったんです。でも、足湯だったら仲のいい友達と浸かりながら純烈トークをできるのが楽しくて」  酒井一圭の言う「お客さんと同じ目線のステージ」であるとともに、純子さん同士もファン歴や年齢、先輩後輩の隔てなくこの空間を共有していた。大江戸温泉ライブが始まった頃から見続けている人ほど、この畳部屋の社交場が好きだったと口にした。  スタートはけっして多くなかった観客の数が、少しずつ増えていく過程を見てきた人たちにとっては、仲間が増えていく実感を得られた。たとえ面識がなかったり、会話を交わさなかったりしても、ここにいるだけでつながりを持てた気がした。  大江戸温泉のスタッフさんが「ありがたいことに僕らにも声をかけてくださるファンの方々がいらっしゃるんです」と喜んでいたが、その根底には「中村座にいる者は全員が純烈仲間!」といった姿勢がある。こちらも、お話を聞かせてくださいと頼んだところ一人も断られることなく、受け入れていただけた。  撮影を終えると、まだ順番待ちの顔見知りのところまでいってお喋りし、近づいたところで「じゃあ、またね!」とばかりに離れる。ほどよい間(ま)で会場をあとにするので「早く退場してください」と、スタッフからの指示が飛ぶこともあまりない。
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“わきまえる”美意識を持つファン
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