お金

借金500万円男。年末までの仕事がなくなりパチンコへ行く

狭いけど快適な月5万円のワンルーム

 月5万円の新居は初期費用が限りなく0に近かった代わりに、狭いワンルームだった。それでもホテルや友達の部屋、もちろん路上なんかよりはずっと快適だ。初日はカーテンと布団を入れた。  真に感謝すべきものはいつも何気ない顔で存在していることが多いが、カーテンもそんなありがたいアイテムの一つだ。引っ越しの度に思うが、カーテンの無い部屋に人がいる状況はかなり異様に見える。  以前1Kマンションに住んでいた身からすると空間的にはそれほど変わらないのだが、自分の部屋と廊下の間に鉄扉が一枚しかないので音漏れが酷かった。廊下にいると全ての部屋の生活音が聞こえる。  聞き耳を立てればテレビの台詞も聞くことができる。これは少し恥ずかしい。引っ越し用の段ボールを窓や入り口に立てかけて少しでも和らげようとしてみたが、ほとんど効果はなかった。  むしろ転入早々段ボールで生活空間を囲う僕を見た他の住人が不安に思うだろう。ただでさえ後ろ盾の無い身の上、ご近所付き合いは無難すぎるくらいがちょうどいい。

明日から本気を出す……はずが……

 何にしろ、これから新生活が始まる。思い描いていた28歳と比べると随分小さくまとまってしまったが、こういう時ばかりはネットに浮かんでいる「何をするにも遅すぎることは無い」という言葉に乗っかってみよう。よし、よし。僕は本当に明日から本気出す。  翌日。  年末まで予定していた3種類の仕事が全て同時に無くなった。こういうこともあろうかと3種類の仕事を紹介してもらっていたのだが、こうして全てが泡になることもある。  家賃、返済、光熱費。実家暮らしならいざ知らず、現代人は尻に火をつけられて生きている。名実ともに晴れて28歳の無職となった。25歳がアラサーを自称するように、フリーターが無職を自称するように、より低いと思う名刺を背中に貼り付けて保険としていたものが、本当の正体になってしまった。  言霊の力を感じる。「ありがとう」と声をかけ続けた花は大きく咲くし、「自分なんて無職みたいなもんですよ」と言い続けた人間は本当の無職となる。
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パチンコへ行った……
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