ライフ

モラハラ上司の二重基準はなぜ生まれる? 相談してもしなくても地獄の結果に

家庭内でもこの加害が全く同じ構造で行われる

 相談に応えないのに、結果に文句を言う。このような状態では、相談することも、相談しないことも間違いになってしまいます。これを「ダブルバインド」と言います。  これをされた方は混乱し、常にビクビクした状態に追いやられてしまいます。何をやっても叱責されるかもしれないのですから、ダブルバインドをしてくる人がいる場所は、落ち着ける場所ではなくなってしまいます。  職場においてダブルバインドをしているような人は、家庭でもやってしまうことが容易に想像されます。具体的には「子育て」や「旅行プラン」などの場面において、相手に計画を任せておき、相談されたら忙しいんだなどといっておきながら、いざ結果が出ると文句をいうというパターンです。  例えば子どもの進学先などについて相談されても「そういうことはお前に任せた」と言っておきながら、いざ成績の話や受験の話になると「おれはそれは間違ってると思ってた。ああすればよかったのに」などと後から口出しをしてくるようなことですね。  忙しいのだとしても、結果に文句を言うのだとしたら、事前に自分なりの意思決定基準を述べないのはアンフェアです。さらに、(本記事では紙幅の関係で割愛しますが)自分と相手の意思決定基準に違いがあれば、すりあわせていくことも必要になります。

大事な人たちに逃げられる前に肝に銘じよう

 そういうことを全てすっ飛ばしておきながら自分が満足するような結果が出てくると期待する考えの根幹は「俺の考えていることは当然にわかるはずだという甘え」です。  この記事を読んでドキッとした人へ。  加害者は、自分では全く自覚しないままに周りの人をダブルバインドで混乱させたり、自己肯定感を著しく傷つけている可能性があります。  実際、少なくない人が自分が若手だった頃はそのような指導に傷ついたり困ったりしてきたのではないでしょうか。しかし、そうだとしたら、そんなマネジメントはもう終わりにしませんか。  これを職場でやっている人は、家庭でもしてしまっている可能性が非常に高いです。パートナーやお子さんが長期にわたって傷つき、あなたに対する信頼や安心感を感じられなくなっている可能性があります。  ある日家に帰ったら、パートナーと子どもが揃って逃げ出していたという状況にならないためにも、ぜひご自身の関わりを見直してみてください。
DV・モラハラなど、人を傷つけておきながら自分は悪くないと考える「悪意のない加害者」の変容を目指すコミュニティ「GADHA」代表。自身もDV・モラハラ加害を行い、妻と離婚の危機を迎えた経験を持つ。加害者としての自覚を持ってカウンセリングを受け、自身もさまざまな関連知識を学習し、妻との気遣いあえる関係を再構築した。現在はそこで得られた知識を加害者変容理論としてまとめ、多くの加害者に届け、被害者が減ることを目指し活動中。大切な人を大切にする方法は学べる、人は変われると信じています。賛同下さる方は、ぜひGADHAの当事者会やプログラムにご参加ください。ツイッター:えいなか

孤独になることば、人と生きることば孤独になることば、人と生きることば

モラハラ、パワハラ、DV
人間関係は“ことば”で決まる

1
2
3
おすすめ記事