更新日:2021年10月21日 09:22
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モラハラ上司の二重基準はなぜ生まれる? 相談してもしなくても地獄の結果に

相談を受けた場合の適切な対処方法とは

 僕は組織開発支援の仕事もさせていただいていますが、このような職場は非常に多いです。部下から相談を受けた時には、本当は以下のように考えることができるはずです。 1.相談自体が必要かどうか  まず、相談内容についてメンバーが自分で判断して良いかどうかを考えます。ここで、その判断基準を明確にする必要があります。  自分で判断して良い相談内容であった場合は任せ、今度からはその基準に照らして考え、自分で判断してもらうようにできます。自分で判断しない方がよいことだった場合は、相談に来てくれたことに感謝しましょう。  もし問題が発生してしまったら、間違えていたのは自分の基準です。自分の間違いを率直に認め、一緒に新しい相談の基準を考えることも上司の責任です。 2.相談方法が適切かどうか  相談の中には「よくわからず、どうしたらいいでしょうか?」というものから「AとBとCのどれが良いでしょうか?」といったもの、「AとBとCがあり、Bがいいと思うので進めて良いでしょうか?」といったものまで様々あります。  それぞれ「選択肢を洗い出せない段階」「選択肢から決められない段階」「決定権がないので進めない段階」と言い換えることができます。

チームの成長を壊す上司

 段階によって明らかに相談に応える方法は変わります。1つ目であれば「そもそもどんな考え方で考えるべきか」を教える必要があり、2つ目であれば「その考え方の中での優先順位は何か」を教える必要があり、最後の段階では相談しなくても進められる仕組みに変えることを検討すべきでしょう。  もちろん教え方にも色々あり、丁寧に教えることもあれば、最近の意思決定の具体例を伝え、それを元に自分で考えてもらうように促すこともできるでしょう。  なんにせよ上記のプロセスを経ずに「こんくらい自分で判断しろよ、使えねえな」などと言うのは、上司としてのメンバーの成長を支援する責任を果たしていない人だと考えます。  とはいえ、そんなふうに自分も指導されてこなかったというパターンも多く、上司もまた部下と同じように、学び続けることが必要だと痛感することが多いのですが……。
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家庭内でもこの加害が全く同じ構造で行われる
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DV・モラハラなど、人を傷つけておきながら自分は悪くないと考える「悪意のない加害者」の変容を目指すコミュニティ「GADHA」代表。自身もDV・モラハラ加害を行い、妻と離婚の危機を迎えた経験を持つ。加害者としての自覚を持ってカウンセリングを受け、自身もさまざまな関連知識を学習し、妻との気遣いあえる関係を再構築した。現在はそこで得られた知識を加害者変容理論としてまとめ、多くの加害者に届け、被害者が減ることを目指し活動中。大切な人を大切にする方法は学べる、人は変われると信じています。賛同下さる方は、ぜひGADHAの当事者会やプログラムにご参加ください。ツイッター:えいなか

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