更新日:2021年11月08日 14:21
お金

ミスタードーナツ「4年で200店が閉店」の謎。コンビニスイーツ人気が逆風に

それでもV字回復の兆し。理由は?

 ところが、決算資料を見てみると、ミスドを運営するダスキンの2021年第1四半期のフードグループ(ミスドを展開する部門)の売上高が、前期に比べて30%増となっています。ミスドは、徐々に回復に向かっていたのです。  売上高の伸びは鈍化していますが、営業利益は大きく伸びていることがわかります。
ミスド ミスド 売上高

売上高と営業利益の推移、筆者作成

 特に、足元の22年第1四半期の営業利益は7.1億円と、1Q時点で19年通期の営業利益の2倍となっています。これは、不採算店舗を閉鎖することで、収益を確保できる店舗に絞り攻勢をかけていたからです。 【ダスキンのフードサービス事業】 ・売上高 2018年    376億円 2020年    362億円 2021年    365億円 2022年度1Q  98億円 ・営業利益 2018年    3.5億円 2020年    6.8億円 2021年    4.1億円 2022年度1Q  7.1億円 (出所:ダスキンHP ダスキン 2022年(令和4年)3月期 有価証券報告書 より)

“ミスド再生”の鍵は新定番メニュー

 ダスキンの決算資料によれば、2020年はコロナの影響で売上が大幅に減少しましたが、今年は前期の下半期以降は好調に転じ、その好調さを維持しています。そのポイントとなっているのが、近年注力してきた“misdo meets”です。  misdo meetsとは、「最高においしい商品・価値」や「ワクワクする気持ち」を提供することをテーマとし、さまざまなブランドと共同開発した商品企画のことです。これが、ミスド再生の鍵を握るほどヒットしているのです。  例えば、宇治茶専門店祇園辻利との共同開発商品であるつや抹茶シリーズ。そのほか、スイーツブランドBAKEの、焼き立てチーズタルト専門店「BAKE CHEESE TART」など、人気ブランドとコラボすることで、売上回復を図っています。
次のページ
どれだけ“定番”を増やせるか
1
2
3
経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ