お金

パテックフィリップの資産価値。高級腕時計初心者にも自信をもってオススメできる

100万円以上値上がりしたモデルも

 また、2021年から、多くのカラトラバが「ガバッと上昇」という傾向となっているのですが、この5026J-001については、値動きしていない状態でした。  例えば、同じカラトラバでも、5196J-001は、2016年水準と比べると、現在水準は、100万円以上高い状況となっているのですが、5026J-001は2016年水準と「ほぼ同じ」という様子だったのです。  値上がり可能性の観点からすると、既に2016年比で100万円高、という状況の5196J-001を買っても良いのですが、今回、友人Oは、博士号記念に初めて買う腕時計であるため、「相対的に安い」ということが、彼にとって魅力的だと考えました。  そうして、このことを友人Oに伝えると、飲み込みの早い彼は、やはり「5026Jが良いと思う」という返事。結構気に入っている様子でした。そこで私は、友人Oともう一人の大学の友人、Mといっしょに、お店に行って買いに行こうと提案。後日、みんなで見に行くことになりました。私は、5026J-001を確実にゲットできるように、事前にお店に電話して取り置きを依頼しておきました。  また、買い物する当日は、5026J-001を見る前に、他の“おすすめ”も見せることとしました。  最初に向かったお店では、この5026のローズゴールドバージョンや、3923、3796などを見てみました。はやり「イエローゴールドの5026が良い」ということで、ここでは買わず、他の店も見てみることになります。  しかしここで、付添いだったもう1人の友人Mが、3796を気に入ってしまいます。そこで、私は「他の店のも見てから良ければ買えば?」と提案。そうして、他を見た結果、やはり友人Mは、「あの店にあった3796が良い」といい、即座に購入してしまします。

購入の決め手は資産性

焼肉

時計選びのお礼として、焼肉をおごってもらいました

 少し前まで、貧乏学生だった彼らが、今やサクッとパテックフィリップを買っている光景を見た私は、時の流れを感じました。私の同級生の彼らですが、私は6年遅れで大学に入ったため、感慨深い気持ちになったのです。そして、次に友人Oの本命、5026J-001を取り置きお店に向かい、無事友人Oもパテックフィリップを購入。この日は、結局、腕時計投資家である私だけが“パテックフィリップを買わない”という結果になりました。  彼らがパテックフィリップをポーンと買ったことに驚いた私ですが、その後、アドバイスのお礼として、焼肉をおごってもらっている際に、彼らが「ポーンと買った理由」が分かります。  それこそが、彼らが、腕時計に対しての資産性を認めていたという点。私は、特段、彼らに腕時計投資の話などをしたことがないのですが、「資産になる」ということが買う決め手だったとのことでした。  私は、常日頃から「本当の消費額=買った値段 ― 売れた値段」といっており、中3からパテックフィリップを買ってきました。しかし、他人がパテックフィリップをポーンと買う姿を目の当たりにすると、正直結構ビビるということが発覚。私も、他人目線ではそうやって見られていたのかと思うと、なんて生意気な中学生だったのかと思った次第です。 <文/斉藤由貴生>
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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