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「焼肉ライク」とのコラボで話題に。代替肉で地球を救うユニコーン企業の挑戦

代替肉の開発当初は図画工作の世界だった

―そしてふたりでゼロから代替肉の開発を始めたと。 白井:アメリカではすでに注目されつつありましたが、日本ではほとんど知られていなかったので、多くの人から夢物語扱いで馬鹿にされましたね。それでもいける確信があったので、本業として海外研修プログラムの会社をやりながら、空いた時間に、手弁当でゼロから実験を始めました。  いろいろな大学を渡り歩いて研究者から話を聞いて、材料を仕入れて、自分の家の一室を実験室にして。手で押しつぶしたり、ミキサーを使ったり、熱を加えたりと、完全に小学校の図画工作の世界でしたね。 代替肉
代替肉

アメリカのインポッシブル・フーズやビヨンド・ミートの代替肉は、スーパーの精肉コーナーと並んでおり、大手バーガーチェーンでも提供されている

佐々木:どんな素材を使うか、素材のタンパク質の配分、水の比率……と細かいパラメータ設定で味や食感がまったく変わってしまうなかで、3年間黙々と実験を続けました。

「いったい何のためにやってるのか」と心が折れかけたことも

白井:地球の未来につながる作業なんだと思って続けてたけど、いつまでたってもおいしくならないので、「いったい何のためにやってるのか」と心が折れかけたこともありました。  成功したあとでわかったんですが、1万回実験して1回成功するかどうかの、海の中で貝殻一つを探し当てるような無謀なことをやっていたみたいで。結果、ようやく「これならいける!」と思える味と食感に出合えた。  そんなタイミングで、社会がコロナ禍で大きく変わったんです。 佐々木:本業だった海外研修プログラムがほぼ廃業状態になり、代替肉に注力するしかない状況に。やるからには世界的に広めたいので、海外、特にアメリカでも会社をつくれるような戦略をまとめ、3か月で会社を設立しました。 代替肉佐々木:会社をつくって1か月半後にはクラウドファンディングのMakuakeで「NEXTバーガー1.2」の応援購入を募り、2か月後には焼き肉の「NEXT焼肉」シリーズ(カルビ1.0、ハラミ1.0)をリリース。さまざまな企業との協業もどんどん始めた、という流れです。
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『がっちりマンデー』で一躍有名に
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