お金

「焼肉ライク」とのコラボで話題に。代替肉で地球を救うユニコーン企業の挑戦

目標は代替肉に誰もがアクセスできる世界

―大きな可能性を秘めているだけに、株式市場での高い評価に繫がっているんですね。
代替肉

国や地域によってはチキンやツナ、カレーなどのローカライズを行う

白井:注目してもらえるのは本当にありがたいですが、じつは数字に関して一喜一憂することはないんです。我々が目指すのは、マクドナルドやコカ・コーラのように、世界中の誰もが代替肉にアクセス可能な世界。そこまでいってやっと「地球を終わらせない。」という理念のスタート地点に立てるので、現時点での時価総額をそこまで気にしていないのが本音です。 佐々木:バイアウトしてお金持ちになりたいわけではなくて、この事業を続けていくつもりなので、メインの指標ではないという感じです。ただ、数字のおかげでメディアに取り上げられて、認知してもらえるのは嬉しいです。仮に1兆円を超えたとしても、海外で道を歩いている人に声をかけて、ブランドを認知してもらえていなかったら、意味がない。 白井:一つ良いことがあったとすれば、日本のスタートアップでも、アメリカの市場を使ってスピード感を上げることが可能だと示せた点。僕たちと同様のケースがどんどん出てきたらいいなと思います。
代替肉

シンガポールでは「鬼滅の刃」とのコラボなどクールジャパンと絡めた戦略も

「どう稼ぐか」が「どれだけ社会貢献できているか」に近づく

―最後に「SDGs」にとっつきづらさを感じている読者に向けて、アドバイスはありますか? 白井:正直、誰もが環境問題に取り組む必要はないと思いますが、今後はサスティナブルな精神がないと相手にされない社会になると思います。海外ではすでにそうなりつつある。燃費の悪い派手な高級車はダサいと感じる時代になったように、世界の変化に合わせて、自分も変わる必要がある。 佐々木:お金を稼ぐのが第一目標だとしても、考え方を時代に合わせる必要がある。「どう稼ぐか」が「どれだけ社会貢献できているか」とどんどん近くなり、人を押しのけて傷つけてお金を儲けるやり方が淘汰されつつある。そんな時代が来ているんだと思います。  地球規模の社会貢献を成し遂げた証しとして、莫大な資産を得る。ネクストミーツは今、そんな未来を築き上げる道中なのだろう。 代替肉【ネクストミーツ米国法人CEO・白井 良】 ’80年、新潟県生まれ。26歳の頃に大手証券会社を退職し、中国・深圳で起業。海外研修プログラムの事業を手がけつつ、身の丈に合わない借金で破産寸前の経験をしながらもさまざまな環境ビジネスに注力してきた 【ネクストミーツ日本法人CEO・佐々木英之】 ’80年、東京都生まれ。日本国内でキッチンカーの飲食業を経て中国に渡り、深圳で白井と出会い、’08年から共同で事業を展開。起業家としてのプロダクトは作品づくりだと捉え、デザインにもとことんこだわるという 取材・文/森ユースケ 撮影/荒熊流星 図版/ミューズグラフィック
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