お金

「焼肉ライク」とのコラボで話題に。代替肉で地球を救うユニコーン企業の挑戦

『がっちりマンデー』で一躍有名に

――かつて一笑に付されたアイデアなのに、現在は大手スーパーやチェーン店でも取り扱われています。大企業との協業はどのように実現したのでしょうか。
代替肉

イオンやイトーヨーカドーなどの大手スーパーの精肉コーナーでの取り扱いも

白井:’19年頃からはアメリカのビヨンド・ミートが上場してすごい金額を調達したり、’20年には国内でも代替肉がメディアで注目され始めたり、代替肉ビジネスの可能性に気づく人がようやく増えてきたりしたタイミングで。 佐々木:『がっちりマンデー』(TBS系)で取り上げられたのも大きかったですね。やっぱりテレビに出ると周りの目が一変して、お声がけいただくことも増えました。 白井:広報戦略は創業前から相当練りましたね。全く新しい市場で、誰にも知られていない商品なので、最初のインパクトが重要。これが食品メーカーの商品開発だったら、葉っぱを使った緑を基調としたパッケージで「健康」「おいしい」「ナチュラル」みたいなイメージを打ち出したと思うんですけど、我々は「地球を終わらせない。」というメッセージを強く出して、ベースカラーは青。ターミネーターみたいなSF感を強く演出しました。  そもそも肉でもないのに「NEXTカルビ」というネーミングにして、ガジェットのようにバージョン番号をつけた。斬新さで興味を持ってもらって、よく見ると環境問題に対する理念が書いてある。そんなふうに尖った広報を続けたら、多くの方から興味を持ってもらえたんです。 佐々木:最初のプロダクトはハンバーガーのパテ、次に焼き肉、牛丼でした。オーガニックな食品が好きな人たちではなく、あえて肉が好きな人たちを狙ったのも、大きなポイントです。意外性で話題になるという予測だけじゃなく、実利として、肉を好きな人たちにおいしいと思ってもらえたら、それだけ置き換えの可能性が上がる。  日本人が好む肉の大手チェーンを調べるとやっぱり焼き肉、ハンバーガー、牛丼が多いんです。そこで使われる動物の肉が、代替肉に置き換わっていけば、将来的な影響は相当大きくなるはずです。
代替肉

近年勢いのあるひとり焼き肉チェーンの焼肉ライクで「フェイク&リアル食べ比べセット」という攻めたメニューを提供

下地がなかったからこその自由な発想

―食品メーカーではなく、素人がゼロから始めた商品が、たった3年で大手チェーン店やスーパーでも取り扱われているのは凄まじいスピードだと感じます。 佐々木:そこは逆に、下地がなかったからこそ自由な発想ができたと思っています。仮に大手食品メーカーとやっていたとしたら、この値段でこの設定じゃないとスーパーに置いてもらえないとか、あれもダメ、これもダメって可能性を閉ざされていたかもしれないので。
次のページ
スマホの普及のように誰もが知る存在になる
1
2
3
4
5
おすすめ記事
ハッシュタグ