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錦鯉、歓喜の号泣…「おっさんによるおっさんのためのM-1」決着までのドキュメント

▼7番手:ロングコートダディ

ロングコートダディ

ロングコートダディ ©M-1グランプリ事務局

 7番手は初登場の「ロングコードダディ」。ネタは兎君が「生まれ変わるならワニになりたい」というところから始まり、そこから肉うどんに2回なり、最後はワゴンRになるという読んでいるだけではさっぱりわからないネタと思うが、これが面白いのだ。準決勝で見たときから「このネタは審査員にはハマる」と確信していた。  得点649点で第2位に。もっと点数が取れると思ったが、「オズワルド」の後で少し割を食ったようにも思えた。ナイツ塙君から「2人の顔にあったネタだった」と芝居の部分を評価され、そのあたりはキングオブコントのファイナリストの実力だと感じたが、巨人師匠からは「センターマイクから外れすぎている」という指摘もあり、コントの実力が漫才では一長一短であったように評価となってしまった。センターマイクから外れなくてもできただけにもったいなかった。それでも残り2組をしのげば、最終決戦進出となる。

▼8番手:錦鯉

錦鯉

錦鯉 ©M-1グランプリ事務局

 8番手は2年連続出場、M-1最年長ファイナリスト記録を更新した「錦鯉」だ。御年50歳のボケ担当長谷川雅紀さんが「今度後輩と合コンに行くから練習する」というネタ。自身のキャラクターやギャグでテンポよく笑いを取る、そして後半は20代の女性陣に年齢のギャップで笑いを取っていく。紙芝居を説明するくだりではツッコミ担当渡辺隆君もヒートアップしテンポをさらに増して、笑いが大きくなり、拍手笑いまで到達しネタ終了。最高の出来だった。得点655点。「ロングコードダディ」を抜き去り、第2位へ。そして、ここで「オズワルド」の最終決戦進出が決まる。  礼二は「去年のパチンコより雲泥の差でよくなっている」。松本さんは「今年はめちゃめちゃ面白かった」と、こちらも「オズワルド」同様、昨年からの上積みにより評価がなされた。一方、上沼さんからは「尻上がりに持っていくところに力を感じた」。富澤君も「畳み掛けてほしいと思っていたところに畳み掛けてくれたのでツボにはまった」としっかりとした構成面の評価もなされた。これもやはりツッコミ担当渡辺君の昨年隠していた刀を抜いたからだろう。巨人師匠も「渡辺君がもっと前に出たらもっと面白くなると思います」と評価。
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インディアンス、もも
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1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)

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