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錦鯉、歓喜の号泣…「おっさんによるおっさんのためのM-1」決着までのドキュメント

最終決戦、いよいよ決着へ…

 最終決戦。残ったのが3位「インディアンス」2位「錦鯉」1位「オズワルド」。今回は全員が初の最終決戦進出となる。
インディアンス

インディアンス ©M-1グランプリ事務局

 1番手は「インディアンス」。きむ君が「もっと売れたい」というテーマから始まる。ファーストラウンド同様ボケも多く、ウケもいい。ただ、「もう中学生」を使った部分でのボケがあり、ウケはよかったのだが、審査員の心象的には気になった。ただそれを差し引いてももの凄いウケで、その後登場する2組に相当なプレッシャーをかけることができた。
錦鯉

錦鯉 ©M-1グランプリ事務局

 2番手は「錦鯉」。「街中に逃げた猿を捕まえたい」という本当にバカバカしい設定から始まるネタは、序盤少し笑いが少ないかと思ったが、猿が森の中へ逃げ込み、渡辺君が「じゃあもういいじゃねーか」の一言から一変。自分で仕掛けたバナナを忘れてしまうくだりなど到底50代がやりそうにないバカバカしいボケのオンパレードでネタ終了。
オズワルド

オズワルド ©M-1グランプリ事務局

 3番手は「オズワルド」。ネタは畠中君が「ラーメン屋の行列に並んでいる時に知らないおじさんに割り込みされた」から始まるネタだが1本目のような雰囲気じゃない。1本目に昨年の「物語」を完結させたのにもかかわらず、このネタは1年前に戻ったような手法をしているように感じた。これはヤバい。これならば審査員が一票を投じにくいと感じた。

50歳チャンピオンが誕生

錦鯉

©M-1グランプリ事務局

 どこのコンビも一長一短ある。だからこそまったく結果がわからない。全体的なウケならば「インディアンス」のように見えた。
錦鯉

©M-1グランプリ事務局

しかし、「錦鯉」も後半にかけていい形にもっていった。そして、「オズワルド」はファーストラウンド1位だったから本来ならば何も考えずにみんな投票したいだろうが、決め手に欠く内容だった。結果、「オズワルド」1票、「インディアンス」1票、「錦鯉」5票で、「錦鯉」が第17代M-1グランプリ王者となった。初の50歳チャンピオンである。
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審査員からのメッセージは…
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1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)

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