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錦鯉、歓喜の号泣…「おっさんによるおっさんのためのM-1」決着までのドキュメント

▼9番手:インディアンス

インディアンス

インディアンス ©M-1グランプリ事務局

 9番手は3年連続出場の「インディアンス」。ツッコミ担当きむ君が「怖い動画を観ることが趣味になった」というところから始まり、ボケ担当田渕君がボケを連打してくい。きむ君のツッコミも感情に忠実で笑いを大きくしていく。後半天丼も決まり、爆笑で終了。理想的な形で漫才を終わらせれば、やはり得点もついてくる。655点。またも同点。「錦鯉」の最終決戦進出に待ったをかけた。  上沼さんから「これぞ漫才」という言葉。塙君から「6000組で一番漫才がうまい」。松本さんから「テンポが素晴らしい」と技術面で高評価を得る。さらに松本さんからは「拍手笑いがきているのにすぐに次のネタに行くのがもったいない」という意見も出たが、逆にいえば、それをしていなくてもこれだけのウケを稼げたのだから凄い。

▼10番手:もも

 
もも

もも ©M-1グランプリ事務局

 大トリ10番手は結成4年目の初出場コンビ「もも」が登場。ヤンキーっぽい風貌のまもる。君とオタクっぽい風貌のせめる。君は、お互いの見た目と違う行動をした時に相方に対して「なんでやねん。〇〇顔やろ!」とイジり合うという漫才である。面白いたとえやワードがどんどん出てくる。後半はスカシっぽいくだりもあり、テクニカルな部分も見せて大きな笑いを作った。初出場としては上々の出来だった。  得点645点で第5位となったが、結成4年目にして点数80点代の審査員は一人もいなかったのは評価に値する。礼二は「場数を踏んでいけばもっとウケる」。巨人師匠は「もっと早めにいったらどうやったの」と序盤のボケ数の少なさを指摘。2人にはまだ経験が必要なのだろう。技術面だけでなく、声量などの体力面も含めて。今の段階で決勝なのだから、すべて備えれば優勝だろう。松本さんが言った「3年後に優勝する顔」はその通りかも知れない。
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三者三様だった最終決戦
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1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)

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