――日本でも7月に参院選がありますが、岸田政権の評価は？ ひろゆき：陰謀論めいてますけど、岸田さんは長期政権を打ち立てるために何が大事かがよくわかっていると思う。安倍（晋三・元首相）さん、麻生（太郎・副総裁）さんの顔を立てて甘利（明・前幹事長）さんを幹事長にしたけど、衆院選では小選挙区で敗れたじゃないですか。 その後も、批判されるのは目に見えているのに落選した石原（伸晃・元幹事長）さんを内閣官房参与にして辞任させている。7人しかいない旧石原派（現・森山派）のボスが一時的にでも岸田さんに養ってもらったら、もう岸田派に合流するほかないんじゃないかと思うんです。すると、岸田派は50人になって二階派を抜く。 一方で、森友問題で亡くなった元財務省職員の赤木俊夫さんの裁判で、国は一度も審理することなくすべての責任を認めて裁判を終わらせたじゃないですか？　でも、岸田さんが再調査で真実を明らかにしようってやったら、全部、証拠資料を明らかにできてしまう。 そうなると、安倍さんは岸田さんに強く出られない。要は、顔を立てたり、弱みを握りながら反対勢力を抑え込んでいる。国民に対する政策は何もやっていないのに（笑）。それで、高い支持率を維持しているのは優秀だと思うんです。 ――何もやっていないのなら、参院選で負けそうですが。 ひろゆき：公明党にゴリ押しされて18歳以下の10万円給付をやったりと、“やっているアピール”は上手。立憲民主党も共産党との共闘で失敗したから、参院選で自民党が大きく議席を減らすイメージはありません。 ――ただ、足元では賃金が伸びないのにインフレ圧力が高まっており、国民生活は苦しくなっていきそう。 ひろゆき：日本って日本のことしか見ていない人が多い。だから、お隣も収入が減っているからしょうがないと、気づかぬうちにみんなで没落していくんじゃないかなと思います。