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ワークマン、キャンプ市場への“遅すぎる参入”の狙いとは。その勝算を読み解く

「#ワークマン女子」でアウトドアが大人気

ワークマン

公式ホームページより

ファンの声とは。 ワークマンの強みはSNSによる口コミを利用することで、商品開発にも参考にしているのです。事実、同社は作業着のみの展開をしていた時に、自社の商品がどのようにお客様に利用されているのかSNSで調べていたそうです。結果、ワークマンの作業着をアウトドアやスポーツウエアとして使っている人たちを発見したことで、カジュアルシーンでも着用できるように商品開発を行った経緯があります。 では、今、SNSを見てみるとどうか。 Instagramで#ワークマン女子 で検索すると。アウトドアの写真が数多く掲載されています。ワークマンを着てアウトドアを楽しんでいる人が増えるのです。 ワークマンでは、また、ブロガー限定の新商品モニターキャンペーンを実施し、ブロガー連動型の企画なども行い、ブロガーやインフルエンサーと共に、ワークマンの商品開発を行っているのです。さらに、消費者でありながらワークマンのアンバサダーのメンバーからの声を商品化することも積極的に行っています。

周回遅れが強みに

ファンの声から生まれた製品を『ユーザーイノベーション』だとし、ワークマンの独自の強みとなっています。 ここから生まれたのが「キャンプギア」の参入です。 コロナ後のキャンプブームでキャンプの市場がある程度拡大し、これからも存続する分野であることが確認できた、今こそワークマンの参入タイミングです・ 「周回遅れが強み」になるのです。 すでに出回っている既存商品の分析を行うことで、どんな製品が売れているのか「コア」となる製品に絞り込むことができます。そして、ワークマンは自社で製品開発できますので、他者に比べて、コストをかけずに商品開発できます。また、もともと、得意である「機能性」はキャンプ分野でも発揮することができます。良い商品を開発して既存市場を奪うことも可能です。
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数字面で分析してみると
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経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi

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