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ワークマン、キャンプ市場への“遅すぎる参入”の狙いとは。その勝算を読み解く

「ワークマン」今から、キャンプ市場参入

ワークマン

公式ホームページより

ワークマンは、キャンプギアの本格展開を2月22日に開始しました。キャンプブームが叫ばれて久しいなか「今から参入?」。 密を回避するため、キャンプブームに火が付いたのはコロナ下の2020年頃。そして、現在もキャンプギアを手掛ける企業が戦々恐々と戦っているキャンプ市場に今から参入? タイミングは遅すぎるように見えますが、むしろ、今こそがワークマンの強みを発揮する時期だともいえるのです。果たして、勝算はあるのでしょうか。

ワークマン“後出しじゃんけん”で勝つ方法

ワークマンは、作業着の高性能をウリに一般向けや女性層の獲得に大成功した企業です。 作業着が出発点で元々機能性の高い商品を展開しており、それが一般消費者に浸透したという、独自の市場獲得の流れを構築してきました。 今回のキャンプ用品の特徴は、 ・自社の「機能性」を強みにしている ・通常のキャンプ用品よりも、圧倒的に「安い」 破格の安さで、ワークマンは「キャンプ必需品5点が1万円以下」でそろいます。 既存ブランドのキャンプ用品では、テントが8万円するなど、手軽に始めた人にとってはハードルが高いです。 一方で、ワークマンキャンプは初めてキャンプをする人がターゲットになります。そのため、1人用のテントは4900円、チェア1780円、テーブル980円など、目を疑うほどに安い。もちろん、安いだけでなく、ワークマンの機能性には安定の信頼感もある。 ワークマンと言えば、プライベートブランドを強みとした製造小売業(SPA)。SPAとは企画から製造、販売までを垂直統合させることでムダを省き、消費者ニーズに迅速に対応できるビジネスモデルです。 独自の経済圏、独自のファンを獲得し、成長を続けるワークマンがわざわざ、キャンプに参入するのか。それは、ファンの声を大切にしているがゆえに見えてた“新市場”なのです。 あえて、既存のキャンプギア企業とは違うポジションで戦う戦略です。
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「#ワークマン女子」でアウトドアが大人気
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経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi

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