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ワークマン、キャンプ市場への“遅すぎる参入”の狙いとは。その勝算を読み解く

ワークマン、次の一手が必要なステージに

ワークマンプラスここまで、マーケティングの観点からの商品開発の話をしてきましたが。数字面で企業分析をしていきます。 ワークマンの業績推移は2019年~2021年の3年間は売上高、経常利益、純利益は前年同期比2ケタ%成長を続けていました。しかし、22年の見通しは1ケタ%の成長予想となっています。8%成長でも十分な成長ではありますし、売上高の規模が大きくなればなるほど成長幅が鈍化するのは当然のことです。 【売上高】 2019年   669億円(前年比 +19.4%) 2020年   923億円(前年比 +37.8%) 2021年  1058億円(前年比 +14.6%) 2022年(予) 1144億円(前年比 +8.2%) 【経常利益】 2019年   147億円(前年比 +24.5%) 2020年   206億円(前年比 +40.1%) 2021年   254億円(前年比 +23.0%) 2022年(予) 272億円(前年比 +7.0%) ワークマン

成長を続けるためには新しい「柱」が必要

新しい事業の「柱」を作るのは、成長する企業であれば、常に模索しています。これから成長を続けるためにも、ワークマンは「次なる一手」が必要なステージに差しかかっています。そんなワークマンにとって、今回のキャンプギアへの本格参入は、新しい「収益の柱」としての期待も大きいです。キャンプギアのマーケットが拡大したことを確認した、今こそ、地に足をつけながらの参入なのです。 ファンの意見を取り入れながら、彼らの意向に沿った商品を開発するロイヤルカスタマーを大切にしてる企業行動で成長を続けるワークマン。 それに加えて、マーケット分析と自社の参入タイミングを見極める冷静さ。 商品開発力、顧客の意見をうまく吸い上げる力、タイミングを見極めるマーケティング力。 キャンプギア参入で次なる売上の軸として育てることができれば、より一層ワークマンのすごみが増すと思います。ぜひこの先も注目してみてください。
馬渕磨理子

馬渕磨理子

<文/馬渕磨理子>
経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi
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