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ロイヤルホストが“何を食べても美味しい”ワケ。看板メニュー「ビーフシチュー」の秘密

とにかくあの手この手で一度は食べてもらう

ロイヤルホスト

稲田氏が思わず注文する「冷製コンソメジュレ&フラン仕立て~うに・いくら~」

佐藤:コンソメジュレは最初お客様からあまり注文していただけなかったんですよ。 稲田:でしょうね(笑)。私も最初あれを見たときは「ロイホ様、相変わらず尖った料理をぶっ込んでくるな」と思って、知人たちに「ロイホ様がまたもやフレンチレストランしかやらないような素敵メニューを始めたけど、きっとあっという間に消えるから今のうちに食べとけ!」って宣伝して回りました。結局、あれは今もグランドメニューにありますが、ほんとよく生き残りましたよね。 佐藤:コンソメジュレとフラン(卵と生クリームを使った“洋風茶碗蒸し”。ロイヤルホストではあえてゼラチンを使いババロアのように固めている)からなる土台の部分はずっと変わらないんですが、トッピングを蟹とかいろいろ替えてチャレンジし続けました。無理やりセットに組み込んで強制的に食べてもらうようにしたり(笑)。私、1年半は諦めないんですよ。とにかくあの手この手で一度は食べてもらう。

看板メニュー「ビーフシチュー」が最高!

稲田:「小さなビーフシチュー」の登場にも驚きました。しかも元からあったフルサイズも同時になくしましたよね。ビーフシチューってどうしても高価なものになるから、フルサイズ時代はパスタを添えたりしてボリューム感を確保していましたが、正直、今のシンプルな形のほうがずっとおいしい。 佐藤:そうなんです。ビーフシチューはロイヤルホスト伝統の看板メニューだったんですが、価格が災いして売れないメニューでもありました。高いから売れないのであれば、量を半分にして価格を下げて、小皿料理として注文していただければいいんじゃないかという単純な発想でした。 稲田:これはお世辞抜きにして、私はロイヤルホストのビーフシチューは世のあまたあるビーフシチューでも最高のものだと思ってます。昔からずっとこのレシピは変わってないんですか? 佐藤:昔はブラウンルウ(小麦粉を油脂でじっくり香ばしく炒めたとろみの素)やワインもあまり使わず、トマトベースでもう少しさらっと煮込んだものだったみたいです。 稲田:グーラッシュ(ハンガリーやドイツなどの、牛肉をトマトやパプリカとともに煮込んだ素朴なビーフシチュー)だ!
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’19年にレシピが変わっている
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関東・東海圏を中心に和食店、ビストロ、インド料理など幅広いジャンルの飲食店26店舗を経営する円相フードサービス専務取締役。自身は全店のメニュー監修やレシピ開発を中心に業態や店舗プロデュースを手がける

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