ロイヤルホストが“何を食べても美味しい”ワケ。看板メニュー「ビーフシチュー」の秘密
ファミレスという枠には収まり切らない、高品質で時にマニアックともいえるメニューの数々が、どんな人々によってどのように生み出されているのか。“食いしん坊”の稲田俊輔氏が「ロイヤルホスト」の内側を根掘り葉掘り聞いてみた。
稲田:ロイヤルホストといえば盤石の定番メニューだけでなく折々のフェアメニューも魅力ですよね。
佐藤:かつては創業者自らが商品開発チームとともに海外視察に向かい、ロイヤルが日本で紹介すべき料理や食文化を探しに行ってました。
稲田:それが本場のイタリア料理やタイ料理、インド料理などをいち早く国内で紹介してきた過去のフェアに繫がったんですね。
佐藤:ただ、その役目は、さまざまな専門店が国内でも増えてきた今となってはいったん役割を終えたのかもしれません。特にスパイス系の料理については専門店で提供されるようなレベルを実現することが難しいと考えています。スパイスの管理や取り扱いも含めて。
稲田:とはいえ、やっぱりマイナーな外国料理を日本全国で一気に展開してそれを普及させるというパワーはロイヤルホストにしかないものだと思います。私が特に印象深かったのは’13年頃から続いた一連の「イタリアンフェア」「玉ねぎじゃがいもフェア」「バスク料理フェア」あたりで、当時のフェアはどれもコース仕立ての訴求でしたね。いつでも気軽に本場料理のコースが楽しめるなんて、と大興奮したのを覚えてます。
佐藤:当時は日本でもビストロ(フランス料理のカジュアルレストラン)と言われる業態が浸透しつつあった頃で、そういう店のプリフィックス(前菜・メイン・デザートをお客さん自身がいくつかの選択肢から選んでコースを組み立てる提供方法)のスタイルを取り入れました。
稲田:「玉ねぎじゃがいもフェア」なんて実質、フランスの地方料理・家庭料理フェアでしたもんね。タルトフランベ(アルザス地方の薄焼きピザ)とかアシパルマンティエ(じゃがいもと肉のグラタン)とか。
佐藤:はい、注文していただいたお客様の反応もとてもよかったです。キッチンでのオペレーションがスムーズにいかず、お待たせしてしまう場面もあり大変でした。
「何を食べてもおいしい」をつくり出す若き料理長
いつでも気軽に本場料理のコースが楽しめるなんて、と大興奮
関東・東海圏を中心に和食店、ビストロ、インド料理など幅広いジャンルの飲食店26店舗を経営する円相フードサービス専務取締役。自身は全店のメニュー監修やレシピ開発を中心に業態や店舗プロデュースを手がける
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