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3月11日で営業終了、JR北海道の廃止7駅を巡ってみた

③流山温泉駅

流山温泉駅

流山温泉駅

 この流山温泉駅(北海道七飯町)は池田園駅の隣駅。その距離2.2キロと駅同士が離れている北海道ではかなり近く、砂原支線の本数が少ないせいか雪のない季節は徒歩で移動する鉄道ファンも少なくない。 流山温泉駅 流山温泉駅 そんな同駅はなんと牧場の中にあり、敷地内を通り抜けないと外には出られない。ここはもともとJR北海道のグループ会社による温泉施設やキャンプ場、観光牧場などがあるレジャー施設だったが赤字続きで15年2月に営業終了。その後、別会社に譲渡されて牧場は今も運営されているが温泉は閉鎖されたままだ。  北海道ではこの3月、今世紀2番目となる新駅ロイズタウン駅(北海道当別町)が札沼線に誕生したが、21世紀最初の駅こそが02年に開業した流山温泉駅。つまり、わずか20年で廃止というJR史上に残る短命駅となってしまった。  訪れたときは運が悪いことに吹雪いており、寒さや雪から逃れようにも駅舎がない有様。しばらくして雪が止んでくれたから助かったものの、冬場に下車するのはかなり勇気が必要だ。 流山温泉駅 駅前には東北新幹線と上越新幹線で使用されていた新幹線200系の車両が丸ごと置いてあったが、13年の撤去後は車輪と先頭車両の先端にあった丸鼻のプレートが展示されていたのみ。  その点といい、駅名に付けられていた“温泉”の営業が終わった事といい、駅の命運はこの時点ですでに尽きていたのかもしれない。

④銚子口駅

銚子口駅

銚子口駅

 そして、流山温泉駅の隣にあるのが銚子口駅(北海道七飯町)。大沼の北端近くに位置し、ここも周辺には別荘地のほか、キャンプ場などもある。おまけに駅間の距離は1.2キロと池田園~流山温泉よりもさらに短い。 銚子口駅 ホームは思った以上に長さがあり、列車の行き違いが可能な2面2線。ただし、1~2両編成の列車しか停まらないせいか訪問した1月某日はその部分しか除雪されておらず、それ以外の部分は30センチほど積もったまま。誰かが立ち入った形式もなく人の気配がまったくないのは逆に気持ちがいい。 銚子口駅 砂原支線で今回廃止となった駅があるのは、いずれも森林地帯。この銚子口駅も夏は木々に囲まれた、冬は雪に閉ざされた秘境駅といった雰囲気で趣があった。 銚子口駅 利用客がいないとはいえ、隣同士の3駅が一度になくなるのは残念な限りだ。
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石谷駅と本石倉駅
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フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。

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