更新日:2022年03月13日 09:26
ニュース

岸田首相が避けた入管法改正案の再提出。無法だらけの“日本の入管問題”を終わらせる絶好の機会

今こそ、入管問題を終わらせる絶好の機会?

志葉玲さんが上梓した『難民鎖国ニッポン ウィシュマさん事件と入管の闇』(かもがわ出版)

志葉玲さんが上梓した『難民鎖国ニッポン ウィシュマさん事件と入管の闇』(かもがわ出版)

 そんな知られざる入管の実状をレポートし続け、『難民鎖国ニッポン ウィシュマさん事件と入管の闇』(かもがわ出版)を上梓した志葉玲さんはこう語る。 「入管問題で日本は国連などからこの10年、幾度も懸念と改善勧告を受けています。もはや、いつまでもこの問題を放置はできないはずです。入管による人権侵害を終わらせるための国民的な議論が必要で、自分もその一端を担っていきたいと思っています」  志葉さんが目指しているのは、「日本の入管問題を終わらせること」だという。 「ウィシュマさんの事件で、多くの人々が入管問題に目を向けるようになり、昨年の衆院選では主に野党で各党が入管行政の改革を公約にするまでになりました。今こそ、入管問題を終わらせる絶好の機会です。収容の是非を『入管の裁量』ではなく裁判所に委ねる。無期限の収容を止める。難民その他、帰国できない事情を抱える人々を適切に救済していく。国連からの勧告や、野党合同ヒアリング等での改善案も実現していくべきでしょう」  いまだ入管の改善が見られないのは残念なことだが、志葉さんのようなジャーナリストたちによる地道な取材のおかげもあり、前回の入管法改正案は廃案となった。しかし、まだ終わりではない。今まで以上に多くの人々が、入管の人権侵害を終わらせるために声を上げる必要がある。 文・写真/織田朝日
おだあさひ●Twitter ID:@freeasahi。外国人支援団体「編む夢企画」主宰。著書に『となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS』(旬報社)、入管収容所の実態をマンガで描いた『ある日の入管』(扶桑社)

ある日の入管~外国人収容施設は“生き地獄”~

非人道的な入管の実態をマンガでリポート!

1
2
3
難民鎖国ニッポン

国連からも改善勧告を受けた、 非人道的な日本の難民政策を告発

おすすめ記事