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「日本にいたい」と涙ぐむ子供たち。在留資格の特例からこぼれた子の苦悩

8月4日、斎藤健法務大臣により、日本で生まれ小中高に通う外国人の子供(18歳未満)に、一定の条件を満たせば「在留特別許可」を出すことが発表された。日本で生まれ育ったが在留資格がない子供201人のうち、約140人に特別許可が出ると見られている。

法務大臣の画期的な判断。だが…

在留資格に該当する子供及び、その家族には全員に在留資格が出るとのことで、これによって多くの家族が救われることになる。かつてない法務省側の方針に、喜びを見せる当事者家族は多い。 ただし、これは6月の入管難民法改正で送還ルールが厳しくなったのを受けての、今回限りの特別許可だ。また、対象からこぼれ落ちる子供たちも存在する。
院内集会に参加した子供たち。たびたび声を詰まらせては、日本にいたいと訴えた

院内集会に参加した子供たち。たびたび声を詰まらせては、日本にいたいと訴えた

8月24日、「入管を変える!弁護士ネットワーク」主催による院内集会が衆議院第二議員会館で行われた。発言者の中には現在、仮放免の状態にある子供たち8名が参加していた。

対象からこぼれ落ちる子供たちも

指宿昭一弁護士は、 「日本生まれでない子供94人や、また未就学児、すでに成人してしまった子供、不法入国や犯歴がある親がいる子供が対象外となる。 全ての未成年者、全ての元未成年者に在留資格を出すべきである。また子供だけなく送還を忌避せざるを得ない人々にも在留許可を出すべきだ」と集会の趣旨を語る。 この集会に参加したクルド人の姉妹は、家族の中に日本生まれがいないため、今回の在留資格に該当することができない。父親は母国へ帰されると迫害の危険があり、彼女たちも日本に残ることを強く望んでいる。昨年、日本へ来て9年目で難民と認められず特定活動ビザを失った。 以来、家族全員が、就労禁止で健康保険証も持てない「仮放免」となり、ずっと苦しい生活を送っている。
子供たち

院内集会に参加した子供たち

「大学に向けて頑張りたいけどお金がかかるので厳しい。色々な人の協力で今、学校に行っている。仮放免だから働いて親に協力することができない。(子供たち)全員にビザを与えてほしい」(姉) 「高校1年で、BTSのファンです。日本人の友達のように高校生活を楽しみたい。県外に行くにもいちいち入管に一時旅行許可を取りにいかないといけない。3ケ月に一度、入管に仮放免手続きで行かなければならない。保育士の資格をとりたいけど仮放免だから難しい。ビザを与えて、みんなの生活を邪魔しないでほしい。楽しませてほしい」(妹) 来日したときに姉は6歳、妹は5歳、弟は2歳だった。完全に日本に溶け込んでいるにもかかわらず、日本生まれでないというだけで今回の資格が与えられず、自由に青春を謳歌することができない。それどころか、働くこと、住民票、保険証を持つこと、入管の許可を取らず県外に移動することも禁じられている。
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家族全員が「働くこと禁止」
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おだあさひ●Twitter ID:@freeasahi。外国人支援団体「編む夢企画」主宰。著書に『となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS』(旬報社)、入管収容所の実態をマンガで描いた『ある日の入管』(扶桑社)

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