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サイゼリヤだけがなぜ強い? 円安&原料高で外食チェーンの苦境が続くなか

外食、食料品の値上げが止まらない

サイゼリヤ 実に20年ぶりとなる急激な円安が続いています。  先日はついに1ドル130円台まで急落し、悪循環から抜け出す見込みは今のところありません。また、今春は穀物価格高騰による食料品の値上げも相次ぎました。あの10円駄菓子「うまい棒」も発売以降初めて値上げされ、他にもカップラーメン、酢や味噌などの身近なものが多数値上げされています。    景気の悪い話が続きますが、円安と穀物価格高騰の二重苦で大きなダメージを受けているのが外食業界です。  円安によって食材を輸入する際の必要資金が増え、かつ、そもそもの購入価格も上がっているという二重苦です。値上げに踏み切る外食チェーンも多いですが、これにはやむにやまれぬ背景があるわけです。    そんな外食業界の中で安定した強さを発揮しているのがサイゼリヤです。外食チェーンが苦境に立たされる中、サイゼリヤはなぜ強いのか。その理由が興味深いので紐解いていきましょう。

上海は半年で20店舗オープン!サイゼリヤを支えていた海外展開

   安価な料金でイタリアンを楽しめることで人気のサイゼリヤ。同店の代名詞ともいえるミラノ風ドリアを筆頭に各メニューは食材の多くを輸入に頼っています。  円安が加速している今、輸入が多いということはサイゼリヤにとって費用が膨らむマイナス要因です。この点だけを見ると、サイゼリヤも他の外食チェーンと同様に厳しい状況といえます。  事実、サイゼリヤの直近の決算(2021年9月1日~2022年2月28日)で、国内事業は27.1億円の赤字です。    しかし、赤字を帳消しにするほどの業績をあげている分野があります。それが、海外事業なのです。海外事業? ぜんぜんイメージがわかないという方には衝撃のデータをお伝えします。
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アジア事業で25.8億円の黒字
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