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成城石井の上場でコンビニ3位の親会社・ローソンが手に入れる意外なウマミ

推定時価総額5000億円超の大型上場

成城石井 池袋サンシャイン店 4月12日、高級スーパーとして知られ、ローソングループに属する成城石井が上場する方針であることがわかりました。  早ければ年内にも申請する予定と報道されています。上場時の時価総額は5000億円を超える見込みで、投資業界のみならず多くの人が注目したビッグニュースです。青色の看板でおなじみのローソングループなだけに、まさに“青天の霹靂”ともいえる成城石井の上場には、親会社のローソンの経営状況と今後の戦略が絡んでいます。  ローソンは成城石井の上場で何を狙っていて、そしてどのように変化していくのでしょうか。  ローソン、セブンイレブン、ファミリーマートのコンビニ大手3社を比較しながら紐解いていきましょう。

セブンとローソン、利益額の差は5倍以上!

 大手コンビニ3社の勢力図で見ると、現在のローソンは3番手になります。  2022年2月期の決算資料から営業利益を見ると、ローソンは470億円。これに対して業界最大手のセブンイレブンは2233億円。また2位のファミリーマートが653億円です。特に業界トップを走るセブンイレブンには大きく水をあけられていることがわかります。  大手コンビニ3社の中でローソンは最も利益が少ない状況です。当然、ローソンとしてもこの状況を良しとはしていないでしょう。  3社のそれぞれの近年の動向に目を向けると、2021年にセブン&アイHDはアメリカのガソリンスタンド併設型コンビニ「スピードウェイ」を買収。日本国外で大きな一手を打ちました。  スピードウェイの買収額は2兆円を超えるとも言われています。巨額の買収をしてまでアメリカでの拡大を目指す理由には国内市場の限界があります。  国内では不動の1位のセブンイレブンですが、それは逆説的に国内での伸びしろが少ないことを意味します。また、国内市場は少子化の影響もあり縮小傾向です。そのため、さらに業績を拡大していくためには海外に目を向ける必要があるのです。
セブンイレブン

海外に目を向けるセブン

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海外に目を向けるセブンに対してファミマは…
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経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi

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