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サイゼリヤだけがなぜ強い? 円安&原料高で外食チェーンの苦境が続くなか

  

すぐに海外展開できるほど外食チェーンは甘くない

 
サイゼリヤ フォレオ博多店

サイゼリヤ フォレオ博多店

 約20年――これがサイゼリヤが現在の経営を支えるほどの海外黒字を生み出すまでに費やした時間です。    サイゼリヤが初めて海外進出したのは2003年。海外第1号店を上海に出店しました。それから、広州、台湾、北京、香港、シンガポールへと進出し、店舗を拡大してきました。しかし、出店してすぐに軌道に乗ったわけではなく、海外店舗ではしばらく赤字が続きます。海外に進出する外食チェーンの多くは、この進出当初の赤字によって撤退する場合が多いのです。    しかし、サイゼリヤは撤退しませんでした。時間をかけながらも現地の従業員と信頼関係を築き、少しずつ、しかし確実に店舗数と黒字を伸ばしていったのです。    その中で追い風もありました。中国では若者や女性で健康志向が拡大、その中でサイゼリヤのサラダが注目されたことも業績が伸びた要因のひとつです。これも海外に留まり続け、信頼と認知度を高めてきたからこそ得られた追い風です。    つまり、同社の海外事業好調の背景には決して短くない月日と努力があったのです。これを他の外食チェーンが一朝一夕で真似をすることはできないでしょう。

国内からの輸出体制も視野に

   他の外食チェーンにはない独自の強みを持つサイゼリヤ。今後はこの強みをさらに強化していく余地すらもあります。少し長い視野で見ると、国内で生産した原料を輸出することも考えられます。  円安は輸入には弱いですが、輸出には強いからです。事実、社長の堀埜一成(ほりのいっせい)社長は公の場において、輸入・輸出の見直しの検討を明言しています。    もちろん、円安や穀物高騰は将来的には変動する可能性があります。  しかし、仮に状況が変わったとしても国内外の二軸体制によって柔軟に対応することができます。多くの不測の自体に対してさまざまな解決策を持つことができるのも、国内と海外に展開している強みと言えるでしょう。  
馬渕磨理子

馬渕磨理子

 赤字と不遇の時代を乗り越えたサイゼリヤの海外出店。結果的に、他の外食チェーンにはない独自の強さを勝ち取るに至っています。  この強さは今後のサイゼリヤに大きな利益と逆風をものともしない安定をもたらすのではないでしょうか。   文/馬渕磨理子
経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi
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