ニュース

高齢ドライバーの事故は減る?「運転免許認知機能検査」の新形態

「運転技能検査」の新設! 受験者も判定者も不安?

今回の改正では、実車に乗って行う「運転技能検査」が新設された。 免許を更新する75歳以上の高齢者は、過去3年間に重大事故につながりやすい一定の交通違反歴(信号無視などの11類型の違反)があるとこの検査を受検しなければならない。そして、「運転技能検査」をパスしないと、「認知機能検査」が受検できないのだ。
認知機能検査模擬テスト

『速報版 認知機能検査模擬テスト』より

この検査は試験場でも自動車教習所でも受検できるのだが、受験者も判定者も不安がある可能性が……。 「違反歴のある受講者は全国で1万人ぐらいいるという話を聞いています。その高齢ドライバーたちが、慣れない車で慣れないコースを走る。受検者も不安かもしれません」(都内自動車教習所所員B氏) 「これまで教習所では高齢者講習と言う免許更新時に必要な実車運転を伴う講習を行ってきましたが、これはあくまで検査ではなく講習。どんなに運転能力が低くても受講すれば証明書を発行してきました。しかし、今後は合否を通知しなければなりません。高齢者を相手に実技検査を行うのがはじめてのことなので、通知時にトラブルになるかもしれないと思うと、不安もあります」(都内自動車教習所所員A氏) 認知症ではなくても、年齢に伴った身体能力の衰えによる運転技能の低下は重大な事故につながりやすいことも確かだ。実際に高齢ドライバーの自動車事故の多くがブレーキとアクセルの踏み間違いだ。高齢によって身体能力だけでなく瞬発力が衰えてきているのも要因かもしれない。 この運転技能検査の新設が高齢ドライバーの交通安全に貢献できるように、導入後の結果に期待が持たれる。

家族から自動車暴走老人を生み出さないために…

身内の高齢者が自動車事故を起こさないために、本人や家族が心がけなければいけないことはなんだろうか。 「高齢ドライバーの一般的特性として、個人差がありますが、注意力や集中力が低下していること。瞬間的な判断力が低下していること。過去の経験にとわわれる傾向にあること。等があります。そのため、走りなれた道路でも基本に立ち返り、正しいルールと技能を再確認することが必要です」(警視庁) また、自動車教習所の職員も口をそろえる。 「年齢を重ねれば心も体も能力が衰えていくのは当たり前のことです。頑固な人もいると思いますが、私たちは『若いころとはちがうんですよ』と伝えていきたい。周囲が上から注意してもあまり効果はないような気がします。本人に自覚してもらうことが一番大事です」(都内自動車教習所所員B氏) やはり家族にとっては、親の晩節を汚しては欲しくないと思うのは人の心。 その一方で、事故を起こしてからでは遅いので親に自主返納を勧めたいが、とは言っても住環境によっては生活の足を失うことになるで、返納をためらうケースも多い。高齢ドライバー本人とその家族が常に話し合っていく必要があるのかもしれない。 【参考資料】「第5階 高齢者の移動手段の確保に関する検討会説明資料」(警視庁)
1
2
速報版 運転免許認知機能検査模擬テスト

変更された新検査4パターンも収録

おすすめ記事
ハッシュタグ