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伸びるくら寿司、伸び悩むスシロー。回転寿司2強時代、勝つのはどちらか?

グローバル戦略とコラボ企画。スシローを抜く勢いのくら寿司

くら寿司 くら寿司の好調を支える要因のひとつにコラボがあります。大ヒット作となった『鬼滅の刃』とのコラボは計7回も実施。家族連れなど、オリジナルグッズを目的に多くの人が来店しました。  また直近では『名探偵コナン』とのコラボも話題となりました。ほかにも、くら寿司は人気アニメとのコラボに意欲的で、この点が集客の強みのひとつとなっています。  もちろんコラボだけでなく、肝心の寿司においてもこだわりが光ります。  特に好評なのが「かにフェア」です。  昨年から高騰が続いている「かに」ですが、くら寿司では「本ズワイガニ 二種盛り軍艦」「特盛 かににぎり」などが220円、この他にもカニをふんだんに使用したメニューを安価な料金で提供。「かにフェア」は昨年11月から3月までで3回展開されました。  もう一点、今後のさらなる飛躍まで見据えて注目すべき動きがあります。  3月31日に世界最大の店舗面積となるくら寿司スカイツリー押上駅前店がオープンしました。  スカイツリー押上駅前店は、他の店舗よりも内装などで和のテイストが強いグローバル旗艦店という位置づけもあります。今後のインバウンド需要の復活までを視野に入れた出店です。また、グローバル旗艦店は、スカイツリー押上駅前店の他にも原宿、道頓堀、浅草ですでに出店しています。  今後の海外からの旅行客の回復までを見込んだくら寿司の中長期的な戦略のひとつです。これらのコラボ、グローバル戦略はスシローよりも先進的かつ勢いがあるというのが筆者の考えです。

味が“やりすぎ”のスシロー

 では、攻勢に出るくら寿司に対し、スシローはどのような施策を打っているのでしょうか。明るいニュースではないですが、スシローは今年10月から100円皿が110円に値上げするという発表は大きな話題となりました。 「一皿ひゃくえん!スシロー!」  あの中川家礼二さんのモノマネでおなじみのCMも内容が変わるかもしれません。  当然消費者としては値段は安いほうがよいですが、SNSでは「残念だけど仕方がない」など値上げを擁護する声も多くありました。  基本的なスタンスとして、スシローは寿司そのもので勝負する傾向があります。  直近でも大間の本マグロや大トロをリーズナブルに提供する「絶対王者スシローの鮪まつり」や、過去に人気だったネタが復刻する「100円祭り」などのフェアを開催し、好評を博しました。ほかにも、公式アプリに人気漫画『将太の寿司』の作者寺沢大介先生のオリジナル寿司漫画を掲載したり、富山の名店「鮨し人」の大将・木村さんや、代々木上原のミシュラン店sio鳥羽シェフとコラボした「すき焼き海鮮しゃり弁」など、 “やりすぎ”ともいうべき料理への力の入れようなのです。 「味のスシロー」、これは間違いなく言えると思います。  中長期的な視野としては、テイクアウト事業もスシローが強化しているポイントです。昨年買収した京樽の設備と店舗を活用し、特に首都圏においてデリバリー対象店舗やテイクアウト専門店を増加させています。  両者の動向を見て、最も気になるのは「くら寿司がスシローを追い越す時はくるのか」という点ではないでしょうか。  この点を検証する上で見ておきたいのが足元の強さです。あるいは、この点にこそスシローの王者たる所以であるとも言えるかもしれません。
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くら寿司がスシローを抜く日はくるのか?
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経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi

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