エンタメ

ディーン・フジオカが考える「体の変化との向き合い方」

推理力は「あまりないと思います(笑)」

ディーン・フジオカ――衝撃のラストを含め、本作では人間の持つ業の深さを突きつけられた印象がありました。 でも、人間の行動や心理って意外とシンプルだと思います。それより自然科学のほうがわからないし、興味があるかもしれない。たとえば「永遠の命」もそのうち技術的には可能になるでしょう。シンギュラリティ(特異点)がいつになるか、という話と一緒だと思うんです。スマホやタブレット一つとっても、人間のイマジネーションの力ってすごいですよね。 ――では、ご自身の推理力は? どうでしょう。あまりないと思います(笑)。推理することは嫌いじゃないですけど、人間ひとりがわかる範囲なんて、たかが知れていると思うんですよ。

自分の体との向き合い方が大きく変わりました

――話は変わりますが、コロナ禍を経て家族との関係に変化はありましたか。 基本的には変わらず、家族がいるところが自分のかえる場所です。物理的にどこであれ、そこが「家」であると。なかなか移動しにくくなりましたけど、そこはテクノロジーの力を借りてコミュニケーションを取り続けている、という感じですね。でも、同じ時間と同じ空間を共有することの価値は、より際立ってきているのと思うので、決してこの形がベストだとは思わないです。 これはもう一個人の力で乗り越えられるようなものではないし、パンデミックという現象が世界で起こったことはこれまで何回もあるわけで。安全第一、健康第一、できることから手をつけていく。新しい環境に適応、対応するライフスタイルや仕事のスタイルを組み替えることは、きっとみなさんもやられていると思います。 ――さまざまな活動をするなか、年齢・キャリアを重ねて感じることや自身の変化は? 自分の体との向き合い方は大きく変わりましたね。体づくりは当然のこととして、生物がどういうシステムで、メカニズムで日々生きているのか、について考えるようになったというか。もうちょっと日常レベルの話をすれば、筋肉の使い方とか。何かひとつのモーション(動き)をするとき、どういう原動力によって最終的にそういう動きをしているのか、と考えるようになりました。もっと細かく説明すると、大きい筋肉より小さい筋肉を使うようになりました。
次のページ
大げさな演技ではなく、もっと本質的なアプローチで
1
2
3
4
株式会社ラーニャ代表取締役。ドラマや映画の執筆を行うライター。Twitter⇒@Yuichitter

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ