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ディーン・フジオカが考える「体の変化との向き合い方」

大げさな演技ではなく、もっと本質的なアプローチで

――それはどういう理屈なのでしょうか。 演技に置き換えると、感情を見せる、表現するために芝居をしてしまうと、どうしても大味になってしまうんです。泣くために泣いたり、いかにも怒ってますよ、という演技になってしまう。それよりも心拍数を高めたり、呼吸を浅くしたりするほうが、スクリーンに映ったときにミラー効果もあって見る人に緊張感がより伝わると思うんです。 ――大げさな演技で表現するのではなく、もっと本質的なアプローチで表現をするということですか。 俳優の生理反応が外から見たときどう見えるか、リラックスしているのか、ストレスが大きいのか。それを含めて体の使い方が重要なのだと思います。本来やるべきことを的確にやればいいところを、それができないから代償動作(※必要な機能以外の機能による動作)が生まれてしまうのです。

「光」と「音」を使って感動を生み出すことが自分の職業

――SPA!「好きな男・嫌いな男」特集でランクインされたこともあるディーンさんですが、男性からの支持についてはどう思いますか。 男性でも女性でも嬉しいですよ。何かモノをつくるときは一人でも多くの人に届けばいいなと思ってつくっているので。自分のプロフェッションというのは「光」と「音」を使って物語をつくったり、感動を生み出したりすること。それが時によっては今回のように俳優の形をとったり、ミュージシャンとしての形をとったり。その都度その都度、違うわけです。つまり視覚と聴覚、それを使って感動を生み出すことが自分の職業だと思っています。 同世代・同年代に絞って言うのであれば、自分が最初、日本にいた頃に感じていたつまらなさみたいなものの原因は何なのか突き止め、そこに自分なりの見解を表現できればと。それに対して同世代・同年代の人たちがどう共感してくれるのか、関係性を見出すか見出さないのか。 性別や年代は気にしませんが、あえて言うなら日本においてはすごく面白い試みだとは思いますね。なぜなら、世代に共通する基調、底に流れる感覚というものは必ずどの国にもあると思いますが、日本は特にそれを意識する文化というか。
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日本に来て感じた「コミュニーション」の違い
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株式会社ラーニャ代表取締役。ドラマや映画の執筆を行うライター。Twitter⇒@Yuichitter

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