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SKE48・松本慈子「仲良しこよしのチームを変えたい」リーダーの悪戦苦闘

幾度にわたる先輩からの指導で苦手だったダンスも上達

 チームS加入後は、先輩からマンツーマンでダンスを指導され、多くの叱咤激励を受けながらレッスンに取り組んでいったという。  ダンスの上達に費やす練習はもちろん、2時間もの劇場公演に耐えうる体力づくりにも励まなくてはならない。こうした努力を重ねてダンスの苦手意識を克服し、パフォーマンスに自信がついたと感じたのは劇場公演『制服の芽』だった。 「チームSに入って1、2年くらい経ったときの公演『制服の芽』では、前のポジションを任せてもらえたんです。このときに『ダンスが踊れるようになった』と自分でも思えるようになりました。ダンスも歌も未経験で初め、ここまで来れたのは何より先輩のおかげだと思っています」

相次ぐ実力派メンバーの脱退で生じた“チームS問題”

 しかし2015年以降、松本さんを支えてきたチームSの先輩や実力派メンバーが相次いで卒業していく時期を迎える。  2014年からリーダーを務め、チームSを率いてきた宮澤佐江が2015年末に卒業を表明。  その後、リーダーを引き継いだ矢方美紀や東李苑、二村春香、大矢真那といった人気を博したメンバーたちも2017年に卒業していき、チームSの屋台骨となるメンバー不在の窮地に立たされたのである。  いわゆる“チームS問題”と揶揄されることもある苦しい時期を、どう乗り越えてきたのか。松本さんは「とにかく、がむしゃらにやっていくしかなかった」と吐露する。 「今まで支えてくれた先輩方が一気に卒業してしまい、本当に苦しい時期でした。チームSに最年少として入った頃は、とにかく先輩に甘えて、ついていくことしか考えておらず、いざ卒業を目の当たりにすると、あらためて先輩方の偉大さを実感しました。もっと背中を見ておけばよかったというか、後輩に接するときの伝え方や教え方を先輩から学んでおけばよかったなと後悔したんです……。  頼れる大きな存在がいなくなったことで、チームKⅡやチームEと比べて『チームSは誰でも前に出られる状態』と言われたのが一番悔しかった。チームSの知名度や人気が低いことを実感したんです。それでも応援してくださるファンの方に最高のパフォーマンスを見せようと考えると、目の前のことをただひた向きに取り組むしかありませんでした」
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副リーダーを一度離れたことで…
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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