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SKE48・松本慈子「仲良しこよしのチームを変えたい」リーダーの悪戦苦闘

副リーダーを一度離れたことで、チームを客観視できるように

 こうしたなか、一筋の光が見えたのは2019年に松本さんが副リーダーに就任したときだったという。 「2016年に一度、副リーダーから外れたことで、チームSを客観的に見れるようになったのが大きかった。自分の意見も言えるようになったし、チームのメンバーそれぞれがどんな考えを持っていて、何がやりたいのかという気持ちに寄り添えるようになりました。  一人ひとりに耳を傾けていくうちに、自分が先輩としての自覚と責任が芽生えていったんです。そして、2019年に副リーダーへ再び就任したことで、周りのメンバーの意見を聞き、どうすればチームSを成長させていけるかを、当時リーダーだった綾巴さん(北川綾巴)とともに考えていきました」
SKE48チームS

SKE48チームSのメンバー (C)2022 Zest, Inc.

 そして、2020年には北川綾巴からバトンを引き継ぎ、リーダーへと就任した松本さん。  2016年から続くチームSのロングラン公演『重ねた足跡』をリーダーとして支え、今年5月の千秋楽まで走り抜けてきた。

「仲良しこよし」を脱するためにもがき苦しんだ

愛を君に、愛を僕に

6月8日に発売した『愛を君に、愛を僕に』のアルバムジャケット写真 (C)2022 Zest, Inc.

 この『重ねた足跡』と入れ替わるように開演したのが、オリジナル公演『愛を君に、愛を僕に』となっている。また、オリジナル新公演の楽曲を集めたCDアルバム『愛を君に、愛を僕に』を発売し、チームSのさらなる飛躍に挑んでいる状況だ。  だが、オリジナル公演を披露するまでには、想像を超えるような苦労があった。  今回の公演で振り付けを担当した牧野アンナ氏とのレッスンは、公演開始の2ヶ月前からスタートしたという。  だが、本番を迎えるまでのレッスンでは、叱咤激励が飛び交う荒々しさを伴い、壮絶さを極めた。 「チームSは良くも悪くも積極性がない。動き出さなきゃ、何も始まらない」 「仲良しこよしではダメ。自分の殻を破るために腹をくくれ」  言葉の意味はわかるが、どうやって行動すればいいのか。何がそもそも正解なのか。  牧野氏の厳しい言葉に、チームSのメンバーは奮起しようと頑張るも、なかなか思い通りにいかない日々が続いた。
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素直に助言を受け止め、「変わろう」と必死になった
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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