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北野日奈子「まだセクシーというものがわからない」乃木坂卒業後の新境地

アイドルでいる自分以外を想像できなかった

――この舞台を通じて、ファンの方や観客にはどういう思いを届けたいですか? 北野:『蒲田行進曲』は、今の時代とは背景や恋愛の描き方が全然違いますし、それぞれの登場人物が情熱に溢れている作品です。初めて見る方にも、その面白さや作品の魅力をしっかり届けられるようにしたいです。個人的には、私が演技をしているイメージがないと思うので、ファンの方に「違う舞台に立ってもしっかりやれているんだ」と感じてもらえるように頑張りたいですね。 ――乃木坂46を卒業されて2か月経ちましたが、どのように過ごしていましたか? 卒業直後に好きなものを好きなときに食べる生活をしていたというのは、インスタで拝見しました。 北野:はい、1週間ほどしました(笑)。以前はドーナツを買っても3種類までしか食べちゃダメって決めてたんです。でも、卒業した次の日に「よし! 食べてやるぞ!」と。まずはカレーを食べたんですけど満腹になって、「なんでも食べられるようになったら、意外と食べたいものってないんだな」って。でも、食べられるのは今しかない!と、近所の駄菓子屋さんに3日に1回のペースで通って500円分を大人買いしてきたり、チョコエッグにハマっていたので1日に5個ぐらい食べたりしてました。舞台中は我慢しているので、食べたい欲望は完全に満たしきれていないです(笑) ――卒業して自由な時間も増えたと思いますが、どんなことを考えられていましたか? 北野:卒業して10日間ぐらいは何も決まっていなくて。今までアイドルでいる自分以外を想像したことがなかったから、やりたいことっていうのが全然浮かばなかったです。でも事務所のスタッフさんと今後について打合せをしているときに、「目標はなにかある?」という質問に答えられないままの私じゃダメだなって思ったんです。  自分がどうなりたいのか、何をしたら楽しいのかっていうことをちゃんと考え直して、今はファッションモデルや舞台などに挑戦させてもらいながら、経験を積んでいきたいって思いました。本当はアイドルを卒業したら、この道1本でやりますって言えるのが正解かもしれないけど、そうじゃない私の気持ちを受け入れてもらっている環境にすごく感謝しています。

絢音ちゃんの卒業はみんなで迎えにいきたい

――乃木坂46も10周年という節目を迎えましたが、バースデーライブは観ましたか? 北野:はい、全部は観れてないんですけど。 ――2日目に「日常」という曲を1つ後輩の久保史緒里さんがセンターで披露していました。北野さんにとっても思い入れの強い曲ですよね。 北野:はい。しーちゃんの表情を見たとき、覚悟を持って、一生懸命に気持ちをおいてパフォーマンスしてくれているんだなっていうのを感じました。バースデーライブ全体では表題曲、カップリング、ユニットなどのリストがあって、そのなかのアンダー曲の部門で私がずっとセンターだった「日常」という曲も選ばれたことが素直に嬉しかったです。以前からしーちゃんは「日常」が好きだって言ってくれていて、バースデーライブで披露する前にも連絡をくれました。こうやって卒業しても、この曲を聞いて私のことを思い出してくれる方が少しでもいたら嬉しいですし、連絡をくれたことも「可愛いな」って思いますね。 ――あのときは会場で北野さんのことを思っていた方は多いと思います。それから、同じ2期生でいうと山崎怜奈さんが卒業発表されて、残りは鈴木絢音さん1人になりました。 北野:絢音ちゃんが最後になるっていうのは、同期で話していたときになんとなく知っていたんです。2期生は結構話をするので確定した順番じゃないけど、なんとなくこの子の後なのかなっていうのはあったから。卒業発表って自分で想像している以上に緊張もするし、体力も使うんですよ。だからザキが卒業発表してすぐに「お疲れさま」って伝えたら、「これ結構大変だね」って話していて。今は将来のこととか不安になる時期だと思うけど、「私は舞台の稽古をしていて役者さんに囲まれて大変だけど、毎日新しい発見があって楽しいよ!」って送ったら、「日奈子が楽しそうでよかった。私もこれから頑張るね!」と返信をもらいました。絢音ちゃんには、全員を送る立場にさせてしまって申し訳ないなっていう気持ちもあります。だから最後のときがきたら、2期生のみんなで迎えにいきたいですね。 ――かつての同期がそれぞれの道で活躍している姿は励みになりますよね。北野さんも、芸能活動10年目を迎えました。一度お休みをしたり浮き沈みもあったと思いますが、ここまでを振り返って、心が折れそうだったときに大事にしていた思いや言葉はありますか? 北野:私は本当に心でしか動けない人間で、自分の感情とか周りの感情が優先してしまうんです。一度休業したときはステージに立てないし、イベントにも参加できなくなって、このまま辞めるんだろうなっていう思いがありました。でも、その期間に乃木坂46やメンバーが本当に好きだという気持ちがずっと自分を繫ぎ止めてくれていたんです。だから乃木坂46に貢献したい、あの人に恩返しをしたい。グループにいた頃はその思いだけで活動してこれたなと思いますね。
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宇宙人と出会いたい!?
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