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キリンが独自素材を日本コカ・コーラに提供。「敵に塩を送る」狙いとは

健康・医薬分野に注力

iMUSE

公式ホームページより

 そんなキリンが新たに力を入れているのが健康・医薬分野です。実は、健康・医薬分野はキリンの中で現段階でも大きな存在感を持つほどに成長しています。  キリン傘下で健康・医薬分野を主戦場としている協和キリン株式会社の2021年の事業利益は612億円。現段階でもグループ全体の3割を占める事業利益を叩き出しています。さらにより大きな伸びしろを見込んでおり、2022年の業績予測は730億円と成長が目に見える分野です。  調査会社のグローバルインフォメーションの調べによると、健康食品の世界市場は2020年段階で7642億ドルです。日本円換算で約87兆円。さらに2027年には1兆1000億ドルまで伸びると予測しています。こういった市場自体の伸びも背景に、キリンの磯崎功典社長は健康・医薬分野の開発のために1000億円を投資する意向があると取材でも答えています。    キリンは長きにわたってビールをはじめとする酒類を主力としていましたが、それが徐々に健康・医薬分野に移りつつあるのです。そんなキリン躍進の鍵を握るのが「プラズマ乳酸菌」なのです。

免疫の維持をサポートする効果

 では「プラズマ乳酸菌」とは一体なんなのでしょうか。 「プラズマ乳酸菌」は2020年に免疫に関する商品として日本で初めて機能性表示食品の届出が受理されたことで注目を集めました。  私たちの身体は外敵から身体を守る免疫機能によって健康を維持しています。そして、「プラズマ乳酸菌」はpDC(プラズマサイトイド樹状細胞)と呼ばれる免疫の司令塔に直接働きかけることで、免疫の維持をサポートする効果が期待されています。  近年、「プラズマ乳酸菌」を取り入れた商品も販売されており、iMUSEシリーズとして飲料、ヨーグルト、ゼリーと幅広く展開されています。  コンビニや自動販売機などで「プラズマ乳酸菌」を取り入れた商品を目にしたことがあるという方もいるのではないでしょうか。
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森永製菓、カンロ…他メーカーに提供している「プラズマ乳酸菌」
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経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi

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